著名作品の「書き出し」と「書き終わり・結び」 |
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「書き出し」 |
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・文字をクリックすると、説明や文章が出たり消えたりします。 |
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・主に明治・大正から昭和初期の作家の、日本文学を主とする著名な作品の「書き出し」と「書き終わり・結び」を収録しました。一部翻訳文も含まれます。 ・詩集や、段などで書かれている作品は、初めの一編(一段、一作など)と最後の一編(一段、一作など)を「書き出し」「書き終わり・結び」として示しました。小説や随筆などにおける「書き出し」「書き終わり・結び」とはやや趣が異なります。 ・このページでは、『作家別・や行』の作品の「書き出し」、つまり作品の最初の部分を表示します。 ・「書き終わり・結び」は別のページで見ることができます。「書き終わりを見る」をクリックして下さい。 ・「インターネット電子図書館 青空文庫 」からの引用がかなりの割合を占めます。引用したサイトがある場合、それぞれの作品の原文へのリンクを設けました。 ・研究や学習にお使いの際は、辞典・専門書などでご確認下さい。 |
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息を ころせ いきを ころせ あかんぼが 空を みる ああ 空を みる ゆうぐれ 瞳をひらけば ふるさとの母うえもまた とおくみひとみをひらきたまいて かわゆきものよといいたもうここちするなり 或(あ)る農村(のうそん)にびんぼうなお百姓(ひやくせう)がありました。びんぼうでしたが深切(しんせつ)で仲(なか)の善(よ)い、家族(かぞく)でした。そこの鴨居(かもゐ)にことしも燕(つばめ)が巣(す)をつくつてそして四五羽(は)の雛(ひな)をそだててゐました。 その日(ひ)は朝(あさ)から雨(あめ)がふつてゐました。 巣(す)の中(なか)で、胸毛(むなげ)にふかく頸(くび)をうづめた母燕(おやつばめ)が眠(ねむ)るでもなく目(め)をつぶつてじつとしてゐると雛(ひな)の一つがたづねました。 「母(かあ)ちやん、何(なに)してるの。え、どうしたの」 と、しんぱいして。 「どうもしやしません。母(かあ)ちやんはね。いま考(かんが)え事(ごと)をしてゐたの」 すると、他(ほか)の雛(ひな)が 「かんがえごとつて何(なあに)」 「それはね……さあ、何(なん)と言(ゆ)つたらいいでせう。あんた達(たち)がはやく大(おほ)きくなると、此(こ)の國(くに)にさむいさむい風(かぜ)が吹(ふ)いたり、雪(ゆき)がふつたりしないうちに遠(とほ)い遠(とほ)い故郷(こきやう)のお家(うち)へかえるのよ。そして遠(とほ)い遠(とほ)いその故郷(こきやう)のお家(うち)へかえるには、それはそれは長(なが)い旅(たび)をしなければならないの。それがね、森(もり)や林(はやし)のあるところならよいが、疲(つか)れても翼(はね)をやすめることもできず、お腹(なか)が空(す)いても何(なに)一つ食(た)べるものもない、ひろいひろい、それは大(おほ)きな、毎日(まいにち)毎晩(まいばん)、夜(よる)も晝(ひる)も翅(か)けつづけで七日(か)も十日(か)もかからなければ越(こ)せない大(おほ)きな海(うみ)の上(うへ)をゆくのよ」 ああ、弟よ、君を泣く、 君死にたまふことなかれ、 末(すゑ)に生れし君なれば 親のなさけは勝(まさ)りしも、 親は刄(やいば)をにぎらせて 人を殺せと教へしや、 人を殺して死ねよとて 廿四(にじふし)までを育てしや。 |
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