いろは歌・いろはガルタ・いろは双六『目次』 

藤村いろは歌留多
島崎藤村・作 岡本一平・画

島崎 藤村(しまざき とうそん)

  • 1872年・明治5年2月17日生
  • 1943年・昭和18年8月22日没
  • 詩人、小説家
  • 本名は島崎 春樹(しまざき はるき)
  • 信州木曾の中山道馬籠
    (現在の岐阜県中津川市)生れ


島崎 藤村

岡本 一平(おかもと いっぺい)

  • 1886年・明治19年6月11日生
  • 1948年・昭和23年10月11日没
  • 漫画家、作詞家
  • 東京美術学校西洋画科卒業
  • は小説家の岡本かの子
  • 画家・岡本太郎の父親


岡本 一平

このいろはがるた - 島崎藤村
 長いこと私は民話を書くことを思ひ立つて、未だそれを果たさずにゐますが、このいろはがるたもそんな心持から作つて見ました。私の『幼きものに』や、『ふるさと』や、『をさなものがたり』は、形こそ童話でありますが、その心持は民話に近いやうに、子供のために作つたこのいろはがるたも矢張それに近いものです。子供よ、來て遊べ、と言つて、父母も一緒に遊んで下さい。
藤村いろは歌留多(昭和2年・1927年1月5日発行

* かるたの読み方を現代仮名遣いとしました。
* そのため、「《ら》蝋燭」は「ろうそく」、「《あ》鸚鵡」は「おうむ」などとなっています。

  •  犬も道を知る
    いぬもみちをしる
いぬもみちをしる

  •  櫓は深い水、棹は淺い水
    ろはふかいみず、さおはあさいみず
ろはふかいみず、さおはあさいみず

  •  鼻から提灯
    はなからちょうちん
はなからちょうちん

  •  鷄のおはやうも三度
    にわとりのおはようもさんど
にわとりのおはようもさんど

  •  星まで高く飛べ
    ほしまでたかくとべ
ほしまでたかくとべ

  •  臍も身の内
    へそもみのうち
へそもみのうち

  •  虎の皮自慢
    とらのかわじまん
とらのかわじまん

  •  ちひさい時からあるものは、大きくなつてもある
  •     
             ちいさいときからあるものは、おおきくなってもある
ちひさい時からあるものは、大きくなつてもある、ちいさいときからあるものは、おおきくなってもある

  •  林檎に目鼻
    りんごにめはな
りんごにめはな

  •  沼に住む鯰、沼に遊ぶ鯰
    ぬまにすむなまず、ぬまにあそぶなまず
ぬまにすむなまず、ぬまにあそぶなまず

  •  瑠璃や駒鳥をきけば父母がこひしい

                     るりやこまどりをきけばちちははがこいしい
るりやこまどりをきけばちちははがこいしい

  •  丘のやうに古い
    おかのようにふるい
おかのようにふるい

  •  わからずやにつける藥はないか
    わからずやにつけるくすりはないか
わからずやにつけるくすりはないか

  •  賢い鴉は黒く化粧する
    かしこいからすはくろくけしょうする
かしこいからすはくろくけしょうする

  •  好いお客は後から
    よいおきゃくはあとから
よいおきゃくはあとから

  •  竹のことは竹に習へ
    たけのことは、たけにならえ
たけのことは、たけにならえ

  •  零點か百點か
    れいてんか、ひゃくてんか
れいてんか、ひゃくてんか

  •  空飛ぶ鳥も土を忘れず
    そらとぶとりもつちをわすれず
そらとぶとりもつちをわすれず

  •  (intentionally left blank)
  •  猫には手毬
    ねこにはてまり
ねこにはてまり

  •  なんにも知らない馬鹿、何もかも知つてゐる馬鹿
         
             なんにもしらないばか、なにもかもしっているばか
なんにもしらないばか、なにもかもしっているばか

  •  蝋燭は靜かに燃え
    ろうそくはしずかにもえ
ろうそくはしずかにもえ

  •  胸を開け
    むねをひらけ
むねをひらけ

  •  瓜は四つにも輪にも切られる
    うりはよつにもわにもきられる
うりはよつにもわにもきられる

  •  猪の尻もちつき
    いのししのしりもちつき
いのししのしりもちつき

  •  のんきに根氣
    のんきにこんき
のんきにこんき

  •   玩具は野にも畠にも
    おもちゃはのにもはたけにも
おもちゃはのにもはたけにも

  •  草も餅になる
    くさももちになる
くさももちになる

  •  藪から棒
    やぶからぼう
やぶからぼう

  •  誠實は殘る
    まことはのこる
まことはのこる

  •  決心一つ
    けっしんひとつ
けっしんひとつ

  •  不思議な御縁
    ふしぎなごえん
ふしぎなごえん

  •  獨樂の澄む時、心棒の廻る時
    こまのすむとき、しんぼうのまわるとき
こまのすむとき、しんぼうのまわるとき

  •  枝葉より根元
    えだはよりねもと
えだはよりねもと

  •  手習も三年
    てならいもさんねん
てならいもさんねん

  •  鸚鵡の口に戶はたてられず
    おうむのくちにとはたてられず
おうむのくちにとはたてられず

  •  里芋の山盛り
    さといものやまもり
さといものやまもり

  •  菊の風情、朝顔の心
    きくのふぜい、あさがおのこころ
きくのふぜい、あさがおのこころ

  •  雪がふれば犬でもうれしい
    ゆきがふればいぬでもうれしい
ゆきがふればいぬでもうれしい

  •  めづらしからう、面白からう
    めずらしかろう、おもしろかろう
めずらしかろう、おもしろかろう

  •  耳を貸して手を借りられ
    みみをかしててをかりられ
みみをかしててをかりられ

  •  仕合せの明後日
    しあわせのあさって
しあわせのあさって

  •  笑顔は光る
    えがおはひかる
えがおはひかる

  •  日和に足駄ばき
    ひよりにあしだばき
ひよりにあしだばき

  •  持ちつ持たれつ
    もちつもたれつ
もちつもたれつ

  •  蟬はぬけがらを忘る
    せみはぬけがらをわする
せみはぬけがらをわする

  •  西瓜丸裸
    すいかまるはだか
すいかまるはだか

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Last updated : 2022/11/23