上の句から見る百人一首・五十音順一覧
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・行頭の番号は「歌番号」です。
・一行目は歴史的仮名遣いの平仮名表記、二行目は歴史的仮名遣いの漢字混じり、三行目は現代仮名遣いの平仮名表記です。
・歴史的仮名遣い平仮名表記の上の句を着色しています。
079
あきかぜに たなびくくもの たえまよりもれいづるつきの かげのさやけさ
秋風に たなびく雲の 絶え間より もれ出づる月の 影のさやけさ
あきかぜに たなびくくもの たえまより もれいずるつきの かげのさやけさ
001
あきのたの かりほのいほの とまをあらみわがころもでは つゆにぬれつつ
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
あきのたの かりおのいおの とまをあらみ わがころもでは つゆにぬれつつ
052
あけぬれば くるるものとは しりながらなほうらめしき あさぼらけかな
明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな
あけぬれば くるるものとは しりながら なおうらめしき あさぼらけかな
039
あさぢふの をののしのはら しのぶれどあまりてなどか ひとのこひしき
浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど あまりてなどか 人の恋しき
あさじうの おののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこいしき
031
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでによしののさとに ふれるしらゆき
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
064
あさぼらけ うぢのかはぎり たえだえにあらはれわたる せぜのあじろぎ
朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木
あさぼらけ うじのかわぎり たえだえに あらわれわたる せぜのあじろぎ
003
あしびきの やまどりのをの しだりをのながながしよを ひとりかもねむ
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
あしびきの やまどりのおの しだりおの ながながしよを ひとりかもねん
078
あはぢしま かよふちどりの なくこゑにいくよれざめぬ すまのせきもり
淡路島 かよふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守
あわじしま かようちどりの なくこえに いくよねざめぬ すまのせきもり
045
あはれとも いふべきひとは おもほえでみのいたづらに なりぬべきかな
あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
あわれとも いうべきひとは おもおえで みのいたずらに なりぬべきかな
043
あひみての のちのこころに くらぶればむかしはものを おもはざりけり
逢ひ見ての 後の心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり
あいみての のちのこころに くらぶれば むかしはものを おもわざりけり
044
あふことの たえてしなくば なかなかにひとをもみをも うらみざらまし
逢ふことの 絶えてしなくば なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
おおことの たえてしなくば なかなかに ひとをもみをも うらみざらまし
012
あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよをとめのすがた しばしとどめむ
天つ風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ
あまつかぜ くものかよいじ ふきとじよ おとめのすがた しばしとどめん
007
あまのはら ふりさけみれば かすがなるみかさのやまに いでしつきかも
天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも
あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
056
あらざらむ このよのほかの おもひでに今ひとたびの あふこともがな
あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな
あらざらん このよのほかの おもいでに いまひとたびの おおこともがな
069
あらしふく みむろのやまの もみぢばはたつたのかはの にしきなりけり
嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 龍田の川の 錦なりけり
あらしふく みむろのやまの もみじばは たつたのかわの にしきなりけり
030
ありあけの つれなくみえし わかれよりあかつきばかり うきものはなし
有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
058
ありまやま ゐなのささはら かぜふけばいでそよひとを わすれやはする
有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする
ありまやま いなのささはら かぜふけば いでそよひとを わすれやはする
061
いにしへの ならのみやこの やへざくらけふここのへに にほひぬるかな
いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に にほひぬるかな
いにしえの ならのみやこの やえざくら きょうここのえに においぬるかな
021
いまこむと いひしばかりに ながつきのありあけのつきを まちいでつるかな
今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな
いまこんと いいしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
063
いまはただ おもひたえなむ とばかりをひとづてならで いふよしもがな
今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで 言ふよしもがな
いまはただ おもいたえなん とばかりを ひとづてならで いうよしもがな
074
うかりける ひとをはつせの やまおろしよはげしかれとは いのらぬもの
憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ はげしかれとは 祈らぬものを
うかりける ひとをはつせの やまおろしよ はげしかれとは いのらぬものを
065
うらみわび ほさぬそでだに あるものをこひにくちなむ なこそをしけれ
恨みわび 乾さぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
うらみわび ほさぬそでだに あるものを こいにくちなん なこそおしけれ
005
おくやまに もみぢふみわけ なくしかのこゑきくときぞ あきはかなしき
奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき
おくやまに もみじふみわけ なくしかの こえきくときぞ あきはかなしき
072
おとにきく たかしのはまの あだなみはかけじやそでの ぬれもこそすれ
音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の 濡れもこそすれ
おとにきく たかしのはまの あだなみは かけじやそでの ぬれもこそすれ
060
おほえやま いくののみちの とほければまだふみもみず あまのはしだて
大江山 いく野の道の 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立
おおえやま いくののみちの とおければ まだふみもみず あまのはしだて
095
おほけなく うきよのたみに おほふかなわがたつそまに すみぞめのそで
おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつ杣に 墨染の袖
おおけなく うきよのたみに おおうかな わがたつそまに すみぞめのそで
082
おもひわび さてもいのちは あるものをうきにたへぬは なみだなりけり
思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり
おもいわび さてもいのちは あるものを うきにたえぬは なみだなりけり
026
をぐらやま みねのもみぢば こころあらば今ひとたびの みゆきまたなむ
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ
おぐらやま みねのもみじば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなん

051
かくとだに えやはいぶきの さしもぐささしもしらじな もゆるおもひを
かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを
かくとだに えやはいぶきの さしもぐさ さしもしらじな もゆるおもいを
006
かささぎの わたせるはしに おくしものしろきをみれば よぞふけにける
かささぎの 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける
かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける
098
かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれはみそぎぞなつの しるしなりける
風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける
かぜそよぐ ならのおがわの ゆうぐれは みそぎぞなつの しるしなりける
048
かぜをいたみ いはうつなみの おのれのみくだけてものを おもふころかな
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ 砕けて物を 思ふころかな
かぜをいたみ いわうつなみの おのれのみ くだけてものを おもうころかな
015
きみがため はるののにいでて わかなつむわがころもでに ゆきはふりつつ
君がため 春の野に出でて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ
きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
050
きみがため をしからざりし いのちさへながくもがなと おもひけるかな
君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
きみがため おしからざりし いのちさえ ながくもがなと おもいけるかな
091
きりぎりす なくやしもよの さむしろにころもかたしき ひとりかもねむ
きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む
きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねん
029
こころあてに をらばやをらむ はつしものおきまどはせる しらぎくのはな
心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花
こころあてに おらばやおらん はつしもの おきまどわせる しらぎくのはな
068
こころにも あらでうきよに ながらへばこひしかるべき よはのつきかな
心にも あらでうき世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
こころにも あらでうきよに ながらえば こいしかるべき よわのつきかな
097
こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎにやくやもしほの みもこがれつつ
来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
こぬひとを まつほのうらの ゆうなぎに やくやもしおの みもこがれつつ
024
このたびは ぬさもとりあへず たむけやまもみぢのにしき かみのまにまに
このたびは 幣も取りあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに
このたびは ぬさもとりあえず たむけやま もみじのにしき かみのまにまに
041
こひすてふ わがなはまだき たちにけりひとしれずこそ おもひそめしか
恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
こいすちょう わがなはまだき たちにけり ひとしれずこそ おもいそめしか
010
これやこの ゆくもかへるも わかれてはしるもしらぬも あふさかのせき
これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも あふ坂の関
これやこの ゆくもかえるも わかれては しるもしらぬも おうさかのせき

070
さびしさに やどをたちいでて ながむればいづこもおなじ あきのゆふぐれ
さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこも同じ 秋の夕暮れ
さびしさに やどをたちいでて ながむれば いずこもおなじ あきのゆうぐれ
040
しのぶれど いろにいでにけり わがこひはものやおもふと ひとのとふまで
忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は 物や思ふと 人の問ふまで
しのぶれど いろにいでにけり わがこいは ものやおもうと ひとのとうまで
037
しらつゆに かぜのふきしく あきののはつらぬきとめぬ たまぞちりける
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
018
すみのえの きしによるなみ よるさへやゆめのかよひぢ ひとめよくらむ
住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
すみのえの きしによるなみ よるさえや ゆめのかよいじ ひとめよくらん
077
せをはやみ いはにせかるる たきがはのわれてもすゑに あはむとぞおもふ
瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
せをはやみ いわにせかるる たきがわの われてもすえに あわんとぞおもう

073
たかさごの をのへのさくら さきにけりとやまのかすみ たたずもあらなむ
高砂の 尾上の桜 咲きにけり 外山の霞 立たずもあらなむ
たかさごの おのえのさくら さきにけり とやまのかすみ たたずもあらなん
055
たきのおとは たえてひさしく なりぬれどなこそながれて なほきこえけれ
滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
たきのおとは たえてひさしく なりぬれど なこそながれて なおきこえけれ
004
たごのうらに うちいでてみれば しろたへのふじのたかねに ゆきはふりつつ
田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ
たごのうらに うちいでてみれば しろたえの ふじのたかねに ゆきはふりつつ
016
たちわかれ いなぱのやまの みねにおふるまつとしきかば いまかへりこむ
立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む
たちわかれ いなばのやまの みねにおうる まつとしきかば いまかえりこん
089
たまのをよ たえなばたえね ながらへばしのぶることの よわりもぞする
玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする
たまのおよ たえなばたえね ながらえば しのぶることの よわりもぞする
034
たれをかも しるひとにせむ たかさごのまつもむかしの ともならなくに
誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
たれをかも しるひとにせん たかさごの まつもむかしの ともならなくに

075
ちぎりおきし させもがつゆを いのちにてあはれことしの あきもいぬめり
契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり
ちぎりおきし させもがつゆを いのちにて あわれことしの あきもいぬめり
042
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつすゑのまつやま なみこさじとは
契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは
ちぎりきな かたみにそでを しぼりつつ すえのまつやま なみこさじとは
017
ちはやぶる かみよもきかず たつたがはからくれなゐに みづくくるとは
ちはやぶる 神代も聞かず 竜田川  からくれなゐに 水くくるとは
ちはやぶる かみよもきかず たつたがわ からくれないに みずくくるとは

023
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれわがみひとつの あきにはあらねど
月見れば 千々に物こそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
013
つくばねの みねよりおつる みなのがはこひぞつもりて ふちとなりぬる
筑波嶺の 峰より落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
つくばねの みねよりおつる みなのがわ こいぞつもりて ふちとなりぬる

080
ながから  こころもしらず  くろかみのみだれてけさは ものをこそおもへ
長からむ 心も知らず 黒髪の 乱れて今朝は 物をこそ思へ
ながからん こころもしらず くろかみの みだれてけさは ものをこそおもえ
084
ながらへば またこのごろや しのばれむうしとみしよぞ いまはこひしき
ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき
ながらえば またこのごろや しのばれん うしとみしよぞ いまはこいしき
053
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまはいかにひさしき ものとかはしる
嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
なげきつつ ひとりぬるよの あくるまは いかにひさしき ものとかはしる
086
なげけとて つきやはものを おもはするかこちがほなる わがなみだかな
嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな
なげけとて つきやはものを おもわする かこちがおなる わがなみだかな
036
なつのよは まだよひながら あけぬるをくものいづこに つきやどるらむ
夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ
なつのよは まだよいながら あけぬるを くものいずこに つきやどるらん
025
なにしおはば あふさかやまの さねかづらひとにしられで くるよしもがな
名にし負はば あふ坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな
なにしおわば おうさかやまの さねかずら ひとにしられで くるよしもがな
088
なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑみをつくしてや こひわたるべき
難波江の 蘆の仮寝の 一夜ゆゑ 身をつくしてや 恋ひわたるべき
なにわえの あしのかりねの ひとよゆえ みをつくしてや こいわたるべき
019
なにはがた みじかきあしの ふしのまもあはでこのよを すぐしてよとや
難波潟 短き蘆の 節の間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや
なにわがた みじかきあしの ふしのまも あわでこのよを すぐしてよとや

096
はなさそふ あらしのにはの ゆきならでふりゆくものは わがみなりけり
花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり
はなさそう あらしのにわの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり
009
はなのいろは うつりにけりな いたづらにわがみよにふる ながめせしまに
花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせし間に
はなのいろは うつりにけりな いたずらに わがみよにふる ながめせしまに
002
はるすぎて なつきにけらし しろたへのころもほすてふ あまのかぐやま
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
はるすぎて なつきにけらし しろたえの ころもほすちょう あまのかぐやま
067
はるのよの ゆめばかりなる たまくらにかひなくたたむ なこそをしけれ
春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそ惜しけれ
はるのよの ゆめばかりなる たまくらに かいなくたたん なこそおしけれ

033
ひさかたの ひかりのどけき はるのひにしづ心なく はなのちるらむ
ひさかたの 光のどけき 春の日に しづこころなく 花の散るらむ
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しずごころなく はなのちるらん
035
ひとはいさ こころもしらず ふるさとははなぞむかしの かににほひける
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける
ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににおいける
099
ひともをし ひともうらめし あぢきなくよをおもふゆゑに ものおもふみは
人もをし 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに 物思ふ身は
ひともおし ひともうらめし あじきなく よをおもうゆえに ものおもうみは

022
ふくからに あきのくさきの しをるればむべやまかぜを あらしといふらむ
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ
ふくからに あきのくさきの しおるれば むべやまかぜを あらしというらん

081
ほととぎす なきつるかたを ながむればただありあけの つきぞのこれる
ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただ有明の 月ぞ残れる
ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる

049
みかきもり ゑじのたくひの よるはもえてひるはきえつつ ものをこそおもへ
御垣守 衛士の焚く火の 夜は燃え 昼は消えつつ 物をこそ思へ
みかきもり えじのたくひの よるはもえ ひるはきえつつ ものをこそおもえ
027
みかのはら わきてながるる いづみがはいつみきとてか こひしかるらむ
みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ
みかのはら わきてながるる いずみがわ いつみきとてか こいしかるらん
090
みせばやな をじまのあまの そでだにもぬれにぞぬれし いろはかはらず
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変はらず
みせばやな おじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかわらず
014
みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑにみだれそめにし われならなくに
陸奥の しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに
みちのくの しのぶもじずり たれゆえに みだれそめにし われならなくに
094
みよしのの やまのあきかぜ さよふけてふるさとさむく ころもうつなり
み吉野の 山の秋風 小夜ふけて ふるさと寒く 衣うつなり
みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり

087
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはにきり立ちのぼる あきのゆふぐれ
村雨の 露もまだひぬ 槙の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ
むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆうぐれ

057
めぐりあひて みしやそれとも わかぬまにくもがくれにし よはのつきかな
めぐり逢ひて 見しやそれとも わかぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな
めぐりあいて みしやそれとも わかぬまに くもがくれにし よわのつきかな

100
ももしきや ふるきのきばの しのぶにもなほあまりある むかしなりけり
百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり
ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なおあまりある むかしなりけり
066
もろともに あはれとおもへ やまざくらはなよりほかに しるひともなし
もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし
もろともに あわれとおもえ やまざくら はなよりほかに しるひともなし

059
やすらはで ねなましものを さよふけてかたぶくまでの つきをみしかな
やすらはで 寝なましものを 小夜ふけて かたぶくまでの 月を見しかな
やすらわで ねなましものを さよふけて かたぶくまでの つきをみしかな
047
やへむぐら しげれるやどの さびしきにひとこそみえね あきはきにけり
八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり
やえむぐら しげれるやどの さびしきに ひとこそみえね あきはきにけり
032
やまがはに かぜのかけたる しがらみはながれもあへぬ もみぢなりけり
山川に 風のかけたる しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり
やまがわに かぜのかけたる しがらみは ながれもあえぬ もみじなりけり
028
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりけるひとめもくさも かれぬとおもへば
山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもえば

071
ゆふされば かどたのいなば おとづれてあしのまろやに あきかぜぞふく
夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろ屋に 秋風ぞ吹く
ゆうされば かどたのいなば おとずれて あしのまろやに あきかぜぞふく
046
ゆらのとを わたるふなびと かぢをたえゆくへもしらぬ こひのみちかな
由良の門を 渡る舟人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋の道かな
ゆらのとを わたるふなびと かじをたえ ゆくえもしらぬ こいのみちかな

093
よのなかは つねにもがもな なぎさこぐあまのをぶねの つなでかなしも
世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ あまの小舟の 綱手かなしも
よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのおぶねの つなでかなしも
083
よのなかよ みちこそなけれ おもひいるやまのおくにも しかぞなくなる
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
よのなかよ みちこそなけれ おもいいる やまのおくにも しかぞなくなる
085
よもすがら ものおもふころは あけやらでねやのひまさへ つれなかりけり
夜もすがら 物思ふころは 明けやらで 閨のひまさへ つれなかりけり
よもすがら ものおもうころは あけやらで ねやのひまさえ つれなかりけり
062
よをこめて とりのそらねは はかるともよにあふさかの せきはゆるさじ
夜をこめて 鶏の空音は はかるとも よにあふ坂の 関はゆるさじ
よをこめて とりのそらねは はかるとも よにおうさかの せきはゆるさじ

008
わがいほは みやこのたつみ しかぞすむよをうぢやまと ひとはいふなり
わが庵は 都のたつみ しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり
わがいおは みやこのたつみ しかぞすむ よをうじやまと ひとはいうなり
092
わがそでは しほひにみえぬ おきのいしのひとこそしらね かはくまもなし
わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね 乾く間もなし
わがそでは しおひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし
038
わすらるる みをばおもはず ちかひてしひとのいのちの をしくもあるかな
忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
わすらるる みをばおもわず ちかいてし ひとのいのちの おしくもあるかな
054
わすれじの ゆくすゑまでは かたければけふをかぎりの いのちともがな
忘れじの 行く末までは かたければ けふを限りの 命ともがな
わすれじの ゆくすえまでは かたければ きょうをかぎりの いのちともがな
076
わたのはら こぎいでてみれば ひさかたのくもゐにまがふ おきつしらなみ
わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波
わたのはら こぎいでてみれば ひさかたの くもいにまごう おきつしらなみ
011
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬとひとにはつげよ あまのつりぶね
わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ あまのつり舟
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
020
わびぬれば いまはたおなじ なにはなるみをつくしても あはむとぞおもふ
わびぬれば 今はた同じ 難波なる 身をつくしても 逢はむとぞ思ふ
わびぬれば いまはたおなじ なにわなる みをつくしても あわんとぞおもう


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Last updated : 2020/02/05