小倉百人一首
カードめくり 81 - 100
ほととぎす
なきつるかたを
ながむれば
ただありあけの
つきぞのこれる
おもひわび
さてもいのちは
あるものを
うきにたへぬは
なみだなりけり
よのなかよ
みちこそなけれ
おもひいる
やまのおくにも
しかぞなくなる
ながらへば
またこのごろや
しのばれむ
うしとみしよぞ
いまはこひしき
よもすがら
ものおもふころは
あけやらで
ねやのひまさへ
つれなかりけり
なげけとて
つきやはものを
おもはする
かこちがほなる
わがなみだかな
むらさめの
つゆもまだひぬ
まきのはに
きりたちのぼる
あきのゆふぐれ
なにはえの
あしのかりねの
ひとよゆゑ
みをつくしてや
こひわたるべき
たまのをよ
たえなばたえね
ながらへば
しのぶることの
よわりもぞする
みせばやな
をじまのあまの
そでだにも
ぬれにぞぬれし
いろはかはらず
きりぎりす
なくやしもよの
さむしろに
ころもかたしき
ひとりかもねむ
わがそでは
しほひにみえぬ
おきのいしの
ひとこそしらね
かはくまもなし
よのなかは
つねにもがもな
なぎさこぐ
あまのをぶねの
つなでかなしも
みよしのの
やまのあきかぜ
さよふけて
ふるさとさむく
ころもうつなり
おほけなく
うきよのたみに
おほふかな
わがたつそまに
すみぞめのそで
はなさそふ
あらしのにはの
ゆきならで
ふりゆくものは
わがみなりけり
こぬひとを
まつほのうらの
ゆふなぎに
やくやもしほの
みもこがれつつ
かぜそよぐ
ならのをがはの
ゆふぐれは
みそぎぞなつの
しるしなりける
ひともをし
ひともうらめし
あぢきなく
よをおもふゆゑに
ものおもふみは
ももしきや
ふるきのきばの
しのぶにも
なほあまりある
むかしなりけり