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▼参考書
万夫不当
ばんぷふとう
作家
作品

芥川龍之介

【きりしとほろ上人伝】

元来この隣国の大将は、獅子王をも手打ちにすると聞えた、万夫不当(ばんぷふたう)の剛の者でおぢやれば、「あんちおきや」の帝とても、なほざりの合戦はなるまじい。

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中里介山

【大菩薩峠 無明の巻】

「それから、わたしと組ちゃんとは、質屋と古手屋のおちゃっぴいになって、表口から乗込むことにしましょう」
「嬉しいわ、そうして、おちゃっぴいが揃って、万夫不当の朝比奈をぎゅうぎゅう言わせてやれば、ほんとに儲(もう)かるわねえ」

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国枝史郎

【神州纐纈城】

昔は由縁(ゆかり)ある武士であった。が、ある不可解の動機のために俄然性質が一変し、賊になったのだということや、土子土呂之介(つちことろのすけ)に剣を学び、天真正伝神道流では万夫不当(ばんぷふとう)だということや、利休好みの茶の十徳(じっとく)に同じ色の宗匠頭巾、白の革足袋に福草履、こういう穏(おとな)しい風采(みなり)をして、富士の裾野の三合目辺で陶器を焼きながら稼ぎをする……などということも聞いていた。

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魯迅 井上紅梅訳

【風波】

「棒を恨んで人を打つ。それがなんだ。大兵が今にもここへ到著するのをお前達は知らないのか。今度おいでになるのは張大帥(ちょうたいすい)だ。張大帥はすなわち燕人(えんじん)張翼徳(ちょうよくとく)の後裔で、彼が一度丈八の蛇矛(じゃぼこ)を支えて立つと、万夫不当(ばんぷふとう)の勇がある。誰だって彼に抵抗することは出来ない」

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吉川英治

【三国志 群星の巻】

 呂布の勇猛は、相変らずすこしも老いていない。むしろ年と共にその騎乗奮戦の技は神(しん)に入って、文字どおり万夫不当(ばんぷふとう)だ。まったく戦争するために、神が造った不死身の人間のようであった。
 この要害に、董卓自ら守りに当って、十二万の兵を鎮し、さらに三万の精兵を前衛に立てて、万夫不当(ばんぷふとう)といわれる呂布をその先手に置いたのであるから、まさに金城鉄壁の文字どおりな偉観であった。

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吉川英治

【三国志 臣道の巻】

李典(りてん)、楽進(がくしん)の輩(ともがら)は勇においてすぐれ、その勇や万夫不当(ばんぷふとう)、みな千軍万馬往来の士である。なお見よ。左列の 于禁(うきん)、徐晃(じょこう)のふたりは、古(いにしえ)の岑彰(しんほう)、馬武(ばぶ)にも勝る器量をそなえ、夏侯惇(かこうじゅん)は、軍中の第一奇才たり。

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Last updated : 2025/12/26