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▼参考書
煩悶苦吟
はんもんくぎん
作家
作品

内田魯庵

【二葉亭四迷の一生】

文壇的野心の欝勃としていた当初は左(と)も右(か)く、自分の文学的才能を危ぶみ出してからは唯一の生活手段とするつもりの文学に全く絶望して、父の渋面、母の愚痴、人生問題の紛糾疑惑、心の隅(すみ)の何処(どこ)かに尚(ま)だ残ってる政治的野心の余燼(よじん)等の不平やら未練やら慚愧やら悔恨やら疑惑やらが三方四方から押寄せて来て、あたかも稲麻(とうま)竹葦(ちくい)と包囲された中に籠城(ろうじょう)する如くに抜差(ぬきさし)ならない煩悶(はんもん) 苦吟に 苛(さいな)まれていた。
 二葉亭の日記の数節を引いて、その当時の煩悶焦慮を二葉亭自身をして語らしめよう。

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Last updated : 2025/12/26