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飛行自在
ひぎょうじざい
作家
作品

折口信夫

【若水の話】

南島では屡、蝶を鳥と同様に見ている。神又は悪魔の 使女ヴナヂ としているのは、鳥及び蝶であった。わが国でも、ちょうとりの名で、蝶を表していた。蛇よりも、蝶の変形は熱帯ほど激しかった。蝶だと思うていると、卵の内にこもってしまい、また毛虫になって出て来る。此が第二の卵なる繭に籠って出て来ると、見替す美しさで、飛行自在の力を得て来る。だから卵や殻・繭などが神聖視せられて来るのである。

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喜田貞吉

【炭焼長者譚 系図の仮托と民族の改良】

かくて日ごろ目にも見ぬ炭焼の名は、居ながらにして名所を知るという都の歌人には比較的親しかったのである。ことに山人はすなわち里人の「俗」に対する「仙」であって、凡人の目には一種の気高き思いをなさしめる場合もある。張良の黄石公、牛若丸の鬼一法眼、みな一種の山人であった。彼らは浮世の塵を脱して、松葉を喰い霧を吸って、飛行自在の術をも有していたとまで信ぜられるに至った。そして特に炭焼はその仙人と或る縁を持って伝えられていたのである。

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岡本綺堂

【鷲】

 飛行機などのなかった時代の武士にとっては、この鷲撃ちの役目は敵の飛行機を待つと同様で、与力一騎に同心四人が附添い、それがひと組となって、鉄砲はもちろん遠眼鏡とおめがねをも用意し、昼も夜も油断なく警戒しているのである。その警戒の方法は時代によって多少の相違があったらしいが、ともかくも普通の獣狩けものがりとは違って、相手が飛行自在の猛鳥であるから、ぎょうぎょうしく立ち騒いで、かれらをおどろかすのは禁物である。

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南方熊楠

【十二支考 田原藤太竜宮入りの話】

 熊楠いわく、支那でも、古く黄帝の世に在った応竜は翼あった。また鄒陽すうようの書に、〈蛟竜こうりょう首をげ、翼を奮えばすなわち浮雲出流し、雲霧みな集まる〉とあれば、漢の世まで、常の竜も往々有翼としたので、『山海経』に、〈泰華山蛇あり肥遺と名づく、六足四翼あり〉など、竜属翼ある記事も若干ある。結局翼なくても飛ぶと讃えてこれを省いたと、蛇や蜥蜴に似ながら飛行自在なる しるしに翼を添えたと趣は異にして、その意は一なりだ。

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中里介山

【大菩薩峠 胆吹の巻】

胆吹明神と申しますのは風水竜王が御神体であらせられ、その昔、飛行上人ひぎょうしょうにんがこの山に多年のあいだ住んでおりまして、開基を致されたと承りました。飛行上人と申すのは、いずれのお生れか存じませんが、飛行自在ひぎょうじざい神通力じんずうりきを得て、御身の軽きこと三銖さんしゅ――とございますが、三銖の銖と申しますのは、三匁でございましょうか、三十匁でございましょうか――まだ私もよく取調べておりませんが、身の軽いということを申しますと、わたくしも至って身軽の痩法師やせぼうしでございますが、飛行自在の神通力なんぞは及びもないことでございます故に、つとめて自重を致しまして、山険と気象に逆らわず、神妙に登山を致し、慎密に下山を致して参るつもりでございます。

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中里介山

【大菩薩峠 みちりやの巻】

 桓武天皇かんむてんのう御代みよ巍石鬼ぎせっきという鬼が有明山に登って、その山腹なる中房山なかぶさやまに温泉の湧くのを発見し、ここぞ究竟くっきょうのすみかと、多くの手下を集めて、自ら八面大王と称し、飛行自在ひぎょうじざいの魔力を以て遠近を横行し、財を奪い、女をかすめ、人を悩ました。

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Last updated : 2022/11/23