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冷飯草履
ひやめしぞうり
緒も台もわらで作った粗末なわら草履
作家
作品

夏目漱石

【趣味の遺伝】

婆さんは万歳などにはごうも耳を借す景色はない。ぶら下がったぎり軍曹の顔を下から見上げたまま吾が子に引きられて行く。冷飯草履ひやめしぞうりびょうを打った兵隊靴が入り乱れ、もつれ合って、うねりくねって新橋の方へとおざかって行く。余は浩さんの事を思い出して悵然ちょうぜん草履ぞうりと靴の影を見送った。

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夏目漱石

【夢十夜】

 鳥居をくぐると杉のこずえでいつでもふくろうが鳴いている。そうして、冷飯草履ひやめしぞうりの音がぴちゃぴちゃする。それが拝殿の前でやむと、母はまず鈴を鳴らしておいて、すぐにしゃがんで柏手かしわでを打つ。たいていはこの時梟が急に鳴かなくなる。

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島崎藤村

【破戒】

人々は用意に取掛かると見え、いづれも白の上被うはつぱり冷飯草履は脱いで素足に尻端折。笑ふ声、私語さゝやく声は、犬の鳴声に交つて、何となく構内は混雑して来たのである。

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寺田寅彦

【物売りの声】

 生菓子をいろいろ、四角で扁平へんぺいな漆塗りの箱に入れたのを肩にかけて、「カエチョウ、カエチョウ」と呼び歩くのは、多くは男の子で、そうして大概きまってしりの切れた冷飯草履ひやめしぞうりをはいていたような気がする。それが持って来る菓子の中に「イガモチ」というのがあった。

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二葉亭四迷

【平凡】

 かんちゃんと云って、私より二ツ三ツ年上で、獅子ッ鼻の、色の真黒けなだったが、斯ういうのに限って乱暴だ。親仁おやじは郵便局の配達か何かで、大酒呑で、阿母おふくろはお引摺ひきずりと来ているから、いつ鍵裂かぎざきだらけの着物を着て、かかとの切れた冷飯草履ひやめしぞうりを突掛け、片手に貧乏徳利を提げ、子供の癖に尾籠びろう流行歌はやりうたを大声にうたいながら、飛んだり、跳ねたり、曲駈きょくがけ というのを遣り遣り使に行く。

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林不忘

【魔像 新版大岡政談】

 つんつるてんの紺絣こんがすりの筒っぽに白木綿しろもめんおびをグルグル巻きにして冷飯草履ひやめしぞうり、いま言ったように釣竿を肩にどこにでも出かける。

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国枝史郎

【大鵬のゆくえ】

季節は早春の正月むつきだというのに手に渋団扇しぶうちわを持っている。脛から下は露出むきだしで足に穿いたのは冷飯草履ひやめしぞうり。……この風態で尾行つけられたのでは紋太郎渋面をつくる筈だ。破れた三度笠を背中に背負い胸に叩きがねを掛けているのは何んの呪禁まじないだか知らないけれど

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  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2022/11/23