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▼参考書
評判嘖嘖/評判嘖々
ひょうばんさくさく
作家
作品

幸田露伴

【風流仏】

吉兵衛の詞(ことば)気になりて開く新聞、岩沼令嬢と業平侯爵(なりひらこうしゃく)と題せる所をふと読下せば、深山(みやま)の美玉都門(びぎょくともん)に入(いっ) てより三千の碔砆(ぶふ)に顔色なからしめたる評判 嘖々(さくさく)たりし当代の佳人岩沼令嬢には幾多の公子豪商熱血を頭脳に潮(ちょう)して其(その)一顰一笑(いっぴんいっしょう)を得んと欲(ほっ)せしが預(かね)て今業平(いまなりひら)と世評ある某侯爵は終(つい)に子爵の許諾(ゆるし)を経て近々結婚せらるゝよし侯爵は英敏閑雅今業平の称空(むな)しからざる好男子なるは人の知所(しるところ)なれば令嬢の艶福(えんぷく)多い哉(かな)侯爵の艶福も亦(また)多い哉(かな)艶福万歳羨望(せんぼう)の到(いたり)に勝(たえ)ず、と見る/\面色赤くなり青くなり新聞紙引裂(ひきさき)捨(す)て何処(いづく)ともなく打付(うちつけ)たり。

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Last updated : 2025/12/26