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▼参考書
北面稽首
ほくめんけいしゅ
作家
作品

中島敦

【弟子】

 孔子が魯から衛に入った時、召を受けて霊公には謁(えっ)したが、夫人の所へは別に挨拶(あいさつ)に出なかった。南子が冠(かんむり)を曲げた。早速(さっそく)人を遣(つか)わして孔子に言わしめる。四方の君子、寡君(かくん)と兄弟たらんと欲する者は、必ず寡小君(かしょうくん)(夫人)を見る。寡小君見んことを願えり云々。
 孔子もやむをえず挨拶に出た。南子は絺帷(ちい)(薄(うす)い葛布(くずぬの)の垂れぎぬ)の後に在って孔子を引見する。孔子の 北面稽首(ほくめんけいしゅ)の礼に対し、南子が再拝して応(こた)えると、夫人の身に着けた環佩(かんぱい)が璆然(きゅうぜん)として鳴ったとある。

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Last updated : 2025/12/26