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不眠不休
ふみんふきゅう
作家
作品

島崎藤村

【夜明け前  第一部下】

二十二里余にわたる木曾の森林の間は、嶮岨(けんそ)な山坂が多く、人馬の継立(つぎた)ても容易でないと見なされた。彼らはむしろ谷も広く間道も多い伊那の方をえらんで、一筋の血路をそちらの方に求めようと企てたのである。
  不眠不休ともいうべき下諏訪での一夜。ようやく後陣のものが町に到着して一息ついたと思うころには、本陣ではすでに夜立ちの行動を開始した。だれ一人、この楽しい湯の香のする町に長く踏みとどまろうとするものもない。一刻も早くこれを引き揚げようとして多くの中にはろくろく湯水を飲まないものさえある。

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島崎藤村

【夜明け前  第二部上】

 しかし、伊之助もいつまで旧(もと)の伊之助ではない。次第に彼は隣人と自分との相違を感ずるような人である。いかに父親思いの半蔵のこととは言え、あの吉左衛門発病の当時、たとい自己の寿命を一年縮めても父の健康に代えたいと言ってそれを祷(いの)るために御嶽参籠(おんたけさんろう)を思い立って行ったことから、今また不眠不休の看護、もう三晩も四晩も眠らないという話まで――彼伊之助には、心に驚かれることばかりであった。

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寺田寅彦

【断水の日】

 十日は終日雨が降った、そのために工事が妨げられもしたそうで、とうとう十一日は全市断水という事になった。ずいぶん困った人が多かったには相違ないが、それでも私のうちでは幸いに隣の井戸が借りられるのでたいした不便はなかった。昼ごろ用があって花屋へ行って見たらすべての花は水々していた。昼過ぎに、遠くない近所に火事があったがそれもまもなく消えた。夕刊を見ながら私は断水の不平よりはむしろ修繕工事を不眠不休で監督しているいわゆる責任のある当局の人たちの心持ちを想像して、これも気の毒でたまらないような気もした。

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岡本綺堂

【綺堂むかし語り】

「なにか旨(うま)い物が食いたいなあ。」  そんな贅沢(ぜいたく)を云っているのは、駐屯無事の時で、ひとたび戦闘が開始すると、飯どころの騒ぎでなく、時には唐蜀黍(とうもろこし)を焼いて食ったり、時には生玉子二個で一日の命を繋(つな)いだこともありました。沙河(しゃか)会戦中には、農家へはいって一椀の水を貰(もら)ったきりで、朝から晩まで飲まず食わずの日もありました。不眠不休の上に飲まず食わずで、よくも達者に駈け廻られたものだと思いますが、非常の場合にはおのずから非常の勇気が出るものです。

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夢野久作

【焦点を合せる】

 ところが世の中は御方便なものでね。険呑(けんのん)な仕事なら、自慢じゃないが、慣れっこになっている吾輩だ。尤も吾輩が乗ったからシャフトが折れたのかも知れないがね、ハッハッ。前以て、そんな間違いがないように、二重三重に念を入れて、不眠不休で仕事をしたから、ヤット一週間目に蒸汽(スチーム)を入れるところまで漕(こ)ぎ付けたんだが、その間の騒動ったらなかったね。

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武田麟太郎

【日本三文オペラ】

つまり何だな、某氏は今暁、ベロナールを飲下して自殺をはかつたが、幸少量であつたため苦悶中発見され、手当を受けた、と。生命は取とめられる見込である。原因については、争議団にあてた遺書が発見され、それに依れば、今日のトーキー争議が惨敗に終つて、従業員を路頭に迷はすに到つた責任を、指導者として痛感した結果であると見られてゐる。尚最近、不眠不休の活動のため、少しく神経衰弱の気味もあつた、と親近者は語つてゐる、か。このあとは附加へない方がいいかな。――この原稿を君がベロナールを飲む前に送つて置くぜ、ありがたう、これで、特種料で一ぱいのめるわけだ」

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中里介山

【大菩薩峠  無明の巻】

 その日一日、ついに駒井甚三郎はその部屋を出でませんでした。こういうことは必ずしも例のないことではない。不眠不休で働いた揚句、二日二晩も寝通したことさえ以前にあるのだから、金椎はそれを妨げに行こうともしなかったが、夜に入っては、さすがに不安でした。

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Last updated : 2022/11/23