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異域之鬼/異域の鬼
いきのき |
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作家
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作品
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山田美妙 |
【武蔵野】
本当にこれらの人々にもなつかしい親もあろう、可愛らしい妻子もあろう、親しい交わりの友もあろう、身を任せた主君もあろう、それであッてこのありさま,刃(やいば)の串(くし)につんざかれ、矢玉の雨に砕かれて異域の鬼となッてしまッた口惜(くちお)しさはどれほどだろうか。死んでも誰にも祭られず……故郷では影膳(かげぜん)をすえて待ッている人もあろうに……
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