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▼参考書
一顰一笑
いっぴんいっしょう
作家
作品

幸田露伴

【風流仏】

顔色なからしめたる評判嘖々(さくさく)たりし当代の佳人岩沼令嬢には幾多の公子豪商熱血を頭脳に潮(ちょう)して其(その) 一顰一笑(いっぴんいっしょう)を得んと欲(ほっ)せしが預(かね)て今業平(いまなりひら)と世評ある某侯爵は終(つい)に子爵の許諾(ゆるし)を経て近々結婚せらるゝよし

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夏目漱石

【創作家の態度】

しんそこ夫の事はいとしく思っているのであります。ただ心が陽気になれないだけなのですが、夫の方では最愛の細君の一顰一笑(いっぴんいっしょう)も千金より重い訳ですから、捨ておかれんと云うので慰藉(いしゃ)かたがた以太利(イタリー)へ旅行に出かけます。

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菊池寛

【真珠夫人】

 そう気が付いて見ると、青年の母に対する眸(ひとみ)が、日一日輝きを増して来るのが、美奈子にもありありと判(わか)った。母の 一顰一笑(いっぴんいっしょう)に、青年が欣(よろこ)んだり悲しんだりすることが、美奈子にもありありと判った。

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若山牧水

【樹木とその葉 野蒜の花】

各地で催さゝる歌會の前後などがそれである。酒ずきだといふことを知つてゐる各地方の人たちが、私の顏を見ると同時に、どうかして飮ましてやらう醉はせてやらうと手ぐすね引いて私の一顰一笑(いちびんいつせう)を見守つてゐる。從つて私もその人たちの折角の好意や好奇心を無にしまいため強ひてもうまい顏をして飮むのであるが、事實は甚ださうでない場合が多いのだ。

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岸田國士

【新劇の殻】

 由来、新劇といふ言葉の意義について、私は幾度も疑問を提出しておいたのであるが、何よりも、新劇が少数のファン、殊に、所謂演劇青年と称する一種の文学的ヴァガボンドを対手として、その一顰一笑に神経を尖らしてゐたことが間違ひである。

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福田英子

【妾の半生涯】

また「君徐世賓(じょせいひん)たらばわれ奈翁(ナポレオン)たらん」などと遠廻しに諷(ふう)するもありて、諸役人皆妾(しょう)の一顰一笑(いっぴんいっしょう)を窺(うかが)えるの観ありしも可笑(おか)しからずや。

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Last updated : 2025/12/26