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外交辞令
がいこうじれい
作家
作品

服部之総

【望郷 ――北海道初行脚――】

 歯舞はぼまい諸島のユリ島付近でB29がソ連戦闘機に撃墜される事件が起きたのは十月七日のことだが、私が札幌について二日目の十七日には、歯舞諸島は日本領土であるという米国務省の対ソ抗議覚書が発表された。根室ねむろ沖が「危険地帯」の発火点になるための外交辞令はととのった形である。二十日私は 旭川あさひかわにいた。その前の日だったろうか、米軍ジェット機が旭川付近のどこかしらで墜落して、それを捜索するための小型機が旧練兵場から一日中飛びまわっているのを私は見た。

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岸田國士

【従軍五十日】

 日支親善といふことが云はれてゐる。これは決して外交辞令的な、政治臭を帯びたスローガンであつてはならぬと思ふ。単に両国の利害問題を基礎として、その関係を道徳的な名義に塗りかるだけのことなら、国民全体がそれほど一生懸命にならなくても、若干の基本的条件がそろへば結果は期せずしてそこに趨くのである。

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国枝史郎

【秀吉・家康二英雄の対南洋外交】

 徳川家康の南洋政策は、豊臣秀吉の強硬な、むしろ恫喝的、侵略的のれとは事変り、きわめて穏健で、親和的で、実利的であった。つまり、ひとえに貿易を興し、国益を図ろうとする経済的な画策だったのである。
 秀吉が九通しか許さなかった御朱印を、家康は、慶長九年に一挙二十九通許可し、盛んに貿易させたのであった。しかし家康が南洋諸国に政策の手を延ばし、外交を開始したのは、それより少し早く、慶長六年のことであり、安南都統の阮敬という者が「日本人、当国海岸に漂流し来たり、当国人をみだりに殺戮す」と申し来たに対し「凶徒は貴国の法律に照して処罰されたし」と返書を与えたことから始まり、翌七年、又安南の大都統、瑞国公より、通商に関する来書があった時「風波は天なればご注意ありたく、凶賊は人にして、その凶賊は既に日本の近海より姿を消したれば、安んじて通商に従事ありたし」という意味の返書をした。そうして同年に柬捕塞カンボジア国王より同じく通商に関する文書来たるや「遠く信書を伝えられ、之を抜き、之を読むこと、蓮華床にして雹雪の語を聴くが如し」という、至極巧妙な外交辞令を用いて相手を喜ばせ、 なお、日本よりの貿易船は朱印をもって信牌とした故、これを所持している船は優遇信用してほしいと希望し、同じ年に、また同じ王から来書があるや、両国の交際のいよいよ厚くなることを喜ぶと云い、更に同国に内乱があって干戈の常に動くことに同情し「黎民の情に願うて能く慈愍を加えなば、国家は自然に安泰ならんも、むを得ずんば即ち戦闘に及ぶまた可なり」と大戦術家であると共に大政治家である家康らしい注意などを与え、更に、兵器などは日本産のもの極めて鋭利なれば、所要にしたがって供給してもよいと、何時いつの時代にもある、戦闘国に対して、第三国が行う武器売込みの手を早速用いたりした。

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佐左木俊郎

【殺人迷路 (連作探偵小説第九回)】

「打明けて云えば、先刻さっき君から電話がかかって来た時、僕は君の確信ありげな主張をあざわらう気持だったが、こころみに前科調書をつくって見ると、指紋がぴったり適合するではないか。あの時、ずらかる前に、うっかり残した指紋が、奴の致命的な落度となったわけだ。それにしても、僕はまだ、君が、星田代二の素性をどうして看破したか、そのいきさつを聞いていないんだけれど、よろしかったらどうか――」
 内心の侮辱を忍びつつ、これも、所謂いわゆる『教養階級』の虚飾的な外交辞令であった。

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夢野久作

【少女地獄】

「どうも……何度も何度もお眼にかかり損ねまして……やっとお眼にかかれて安心しました」
 こうした私の二度目の挨拶は、だいぶ固苦しい外交辞令に近づいていたように思うが、しかし白鷹氏は依然として私を 見据みすえたまま、両手をポケットに突込んでいた。エタイのわからぬ人間に口を利くのは危険だと感じているかのように……。

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Last updated : 2022/11/23