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▼参考書
我利私慾
がりしよく
作家
作品

夏目漱石

【草枕】

この故に無声(むせい)の詩人には一句なく、無色(むしょく)の画家には 尺縑(せっけん)なきも、かく人世(じんせい)を観じ得るの点において、かく煩悩(ぼんのう)を解脱(げだつ)するの点において、かく清浄界(しょうじょうかい)に出入(しゅつにゅう)し得るの点において、またこの 不同不二(ふどうふじ)の乾坤(けんこん)を建立(こんりゅう)し得るの点において、 我利私慾(がりしよく)の覊絆(きはん)を掃蕩(そうとう)するの点において、――千金(せんきん)の子よりも、万乗(ばんじょう)の君よりも、あらゆる俗界の寵児(ちょうじ)よりも幸福である。

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加藤道夫

【なよたけ】

文麻呂 あなたは御存知ないのだ。……都の人間(ひと)達がどんなに汚れ切っているか。表面(うわべ)ばかり華かな文化に飾られ、優雅(ゆうが)な装いに塗りかくされてはいるけれど、人間達はみな我利私慾(がりしよく)に惑(まよ)っている。……「素朴(そぼく)な」人間の心を喪失(そうしつ)している。都の人達はみんな利己主義です。享楽(きょうらく)主義です。

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Last updated : 2025/12/26