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歓言愉色
かんげんゆしょく
作家
作品

夏目漱石

【吾輩は猫である】

しからずんば、こんな書生が何百人出て来て、何十年かかったって主人の頑固がんこなおりっこない。この湯槽ゆぶねに浮いているもの、この流しにごろごろしているものは文明の人間に必要な服装を脱ぎ棄てる化物の団体であるから、無論常規常道をもって律する訳にはいかん。何をしたって構わない。肺の所に胃が陣取って、和唐内が清和源氏になって、民さんが不信用でもよかろう。しかし一たび流しを出て板の間に上がれば、もう化物ではない。普通の人類の生息せいそくする娑婆しゃばへ出たのだ、文明に必要なる着物をきるのだ。従って人間らしい行動をとらなければならんはずである。今主人が踏んでいるところは敷居である。流しと板の間の境にある敷居の上であって、当人はこれから 歓言愉色 かんげんゆしょく円転滑脱えんてんかつだつの世界に逆戻りをしようと云う間際まぎわである。その間際ですらかくのごとく頑固がんこであるなら、この頑固は本人にとってろうとして抜くべからざる病気に相違ない。病気なら容易に矯正きょうせいする事は出来まい。この病気をなおす方法は愚考によるとただ一つある。

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  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2022/11/23