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言語道断
ごんごどうだん
作家
作品

正岡子規

【病牀六尺】

○余が病気保養のために須磨すまに居る時、「この上になほき事の積れかし限りある身の力ためさん」といふ誰やらの歌を手紙などに書いて独りあきらめて居つたのは善かつたが、今日から見るとそれは誠に病気の入口に過ぎないので、昨年来の苦しみは言語道断 ほとんど予想の外であつた。

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夏目漱石

【草枕】

ことに青味を帯びた煉上ねりあげ方は、ぎょく蝋石ろうせきの雑種のようで、はなはだ見て心持ちがいい。のみならず青磁の皿に盛られた青い煉羊羹は、青磁のなかから今生れたようにつやつやして、思わず手を出してでて見たくなる。西洋の菓子で、これほど快感を与えるものは一つもない。クリームの色はちょっとやわらかだが、少し重苦しい。ジェリは、一目いちもく宝石のように見えるが、ぶるぶるふるえて、羊羹ほどの重味がない。白砂糖と牛乳で五重の塔を作るに至っては、 言語道断ごんごどうだんの沙汰である。

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芥川龍之介

【忠義】

 同日、田中宇左衛門は、板倉式部の屋敷で、縛り首に処せられた。これは「修理病気に付、禁足申付候様にと屹度きっと、板倉佐渡守兼ねて申渡置候処、自身の計らいにて登城させ候故、かかる凶事出来きょうじしゅったい、七千石断絶に及び候段、言語道断不届者ふとどきもの」という罪状である。

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泉鏡花

【陽炎座】

 春狐は肩をそびやかした。
「なったんじゃない……葬式ともらいにされたんだ。殺されたんだよ。だから言わない事じゃない、言語道断だ、 不埒ふらちだよ。妹をえさに、どじょうが滝登りをしようなんて。」

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島崎藤村

【夜明け前 第一部下】

一橋中納言ひとつばしちゅうなごんにおいてもその場を出奔いたし、至尊をあなどり奉りたるごとき、その他、板倉周防守いたくらすおうのかみ岡部駿河守おかべするがのかみらをはじめ奸吏かんりども数多くこれありて、井伊掃部頭いいかもんのかみ安藤対馬守あんどうつしまのかみらの遺志をつぎ、賄賂わいろをもって種々奸謀かんぼうを行ない、じつもって言語道断、不届きの至りなり。右は、天下こぞって 誅戮ちゅうりくを加うべきはずに候えども、大樹たいじゅ(家茂)においてはいまだ若年じゃくねんの儀にて、諸事奸吏どもの腹中よりで候おもむき相聞こえ、格別寛大の沙汰さたをもって、しばらく宥恕ゆうじょいたし候につき、すみやかに姦徒かんとの罪状を糺明きゅうめいし、厳刑を加うべし。

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岡本かの子

【鯉魚】

 青春はむかしも今も変りません。二人は今の青年男女が野天のプールで泳ぐように、満身にを浴びながら水沫しぶきを跳ね飛ばして他愛もなく遊んでいます。あまりの爽快そうかいさに時の経つのも忘れていました。すると、いつの間にか寺の方の岸には僧達がならんで、あきれた声でさわぎ出しました。
「昭沙弥じゃないか」
「水中でおなごたわむれとる」
「いやはや言語道断仕儀しぎだ」

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平林初之輔

【私はかうして死んだ!】

 私はこの話をきいて、玉村という男はきっと晩にはこの家にとまったのではないに相違ない、この重病人をたった一人空家同然の家に寝かしておいて自分はどこかへ泊まりに行ったに相違ないと考えた。これは実に言語道断なことだが、この寒いのに一週間も夜具なしで暮らすということよりも、その方が合理的だと私は考えたのだ。

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辻潤

【ふもれすく】

 イジイジコセコセと変に固苦しく、生活を心の底からエンジョイすることを知らず、自分の感情を思う存分に托する歌一ツだに持たず、狭い自分達の箱の中でお互いに角つき合い、眼くじらを立て、低能児をやたら生産し、金力と腕力を自慢にする他になに一ツ能がなく、他人の生活をやたら干渉し、自分の人生観がなく、弱い者を苛め、無知で厚顔で粗野で、数え立てればまことに言語道断である。

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坂口安吾

【オモチャ箱】

夫婦喧嘩は犬も食はないと云つて、昔から当事者以外は引込んでゐるべき性質のものだが、彼はすつかり女房の言ふことをマに受けて、失踪帰りの女房について送つてきたとき、先生、変な女にひつかゝるの言語道断などゝ一人前に口上をのべて先生を怒らせてしまつたものだ。

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高村光太郎

【美の日本的源泉】

 くの如く天平期の日本芸術の美は絢爛けんらんを極めているが言い得べくんばこれはすべて完成綜合そうごうの美であって、真の意味での新らしい芽は無い。すべて飛鳥白鳳期に胚胎はいたいせられたものの進展成熟であり、例えば夢殿の救世観世音くせかんぜおん像に見るようなあの言語道断な、真剣な魂の初発性は見られない。

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Last updated : 2022/11/23