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▼参考書
国士無双
こくしむそう
作家
作品

清水紫琴

【誰が罪】

ああ銅臭、否鉱毒の感染するところ、士の高節清操を糜爛せしむ。あに慨歎に堪ゆべけむや。いはんやその弊害の及ぶところ、ひいて世運の進歩を妨げ、国威の拡張を障(さそ)ふる事、決して浅少にあらざるをや、速やかに眼前に横たはるの蠧賊(とぞく)を除き、士風の萎靡を振ひ、社会の昏夢を警醒せんと欲し、斬奸(ざんかん)の策を決行す。伏して惟(おもんみ)るに先生の盛徳実にこれ国士無双、謙譲もつて人を服し、勤倹もつて衆を率きゆ。加ふるに経世の略、稜々の節、今の時に当つて先生を外にして、はた誰にか竢つあらむ。しかもなほかつその隙を覗ひ、名望高節を傷つけむと試むるものあるにあらずや。

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Last updated : 2025/12/26