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広大無辺
こうだいむへん
作家
作品

芥川龍之介

【往生絵巻】

五位の入道 阿弥陀仏よや。おおい。おおい。――この海辺うみべには舟も見えぬ。見えるのは唯浪ばかりぢや。阿弥陀仏の生まれる国は、あの浪の向ふにあるかも知れぬ。もし身共みどもの鳥ならば、すぐに其処へ渡るのぢやが、……しかしあの講師も阿弥陀仏には、広大無辺くわうだいむへんの慈悲があると云うた。して見れば身共が大声に、御仏の名前を呼び続けたら、答位はなされぬ事もあるまい。されずば呼びじにに、死ぬるまでぢや。幸ひ此処に松の枯木が、二股に枝を伸ばしてゐる。まづこの梢に登るとしようか。――阿弥陀仏よや。おおい。おおい。

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芥川龍之介

【邪宗門】

「天上皇帝の御威徳は、この大空のように広大無辺じゃ。何と信を起されたか。」と、 おごそかにこう申しました。

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寺田寅彦

【さるかに合戦と桃太郎】

おとぎ話というものは、そういう人間世界の事実と方則を教える科学的な教科書である。そうして、どうするのがいとか悪いとか、そんな限定的なモラールや批判や解説を付加して説明するにはあまりに広大無辺な意味をもったものである。それをいいかげんなほんの一面的なやぶにらみの注解をつけて片付けてしまうのではせっかくのおとぎ話も全く台無しになってしまう。

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幸田露伴

【東西伊呂波短歌評釈】

東 塵積つて山
西 地獄の沙汰も金
 東は小善小悪も之をあなどり之を軽んず可からざるを云ひ、西は黄金の力の広大無辺なるを云へるなり。

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幸田露伴

【印度の古話】

もし人ありて慈悲心をもて父母ちちはは乃至ないし世の病人なんどに水を施さば、仮令たといそのかさ少くしてわずかてのひらむすびたるほどなりとも、その功徳くどく 広大無辺にして大海といへども比ぶるに足らじといひければ、この度は天神忽ち身を変じて、まゆうつくしく色あざやかに、

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坂口安吾

【Pierre Philosophale】

それからの呂木はすてばちを愛した。破壊のみ唯一の完成であることを考へられてならなかつた。そのころ酒が味と喜びを失つてゐたが、呂木は無理に酒をのんだ。
 港と季節が流れ、そして呂木は、それ程の時もたたぬうちにひどく疲れてしまつた自分を見出して、もはや白日を歓喜する熱狂にさへ乗りきれない自分をあはれんでゐた。落胆それ自身が老いてしまつた自分を見た。哲学の石は育てることも捨てることもできない。
 そして彼は広大無辺な落胆のなかに、無味乾操な歎きを知つた。

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知里幸恵

【日記】

神様は絶対公平の愛なのだ。私は広大無辺の宇宙を思ふ時にさう思ふ。そして、また最も小さい小さい虫を見ても草花を見てもさう思ふ。

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牧野信一

【雪景色】

泥棒の忍び声のやうな囁きで滝は、目を醒すと一処に床を蹴つた。細君から電話が掛つて来る時分には彼は、酒徳利の載つた朝飯の膳を縁側近くに用意して、新しく取り寄せた箱根細工の脇側などに凭りかゝりながら深刻な眼つきでA・Bの活躍を視守つた。――滝は、「頭の中へ持ち応えてゐる六ヶ敷い仕事!」も「愉快な韻文的空想!」も「架空の物語!」も「眼の前の細事は一切没却した広大無辺な無呵有の空に咽んでゐた筈の忘我の詩境!」も「ナンシー・リー」も「電話!」も「怖ろしい吹雪!」も「たゞ見る一面の雪景色!」も「……一気呵勢!」も、何も彼も鵞毛の如く散乱して、ひたすら池を瞶め、獲物を待つ尊大なブルジヨアであつた。

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加藤道夫

【なよたけ】

まるで、夢のような気がするよ。やれ、位が一つ上ったと云ってはおにの首をとったように大騒ぎをして喜んでみたり、やれ、大伴の大納言は一生のかたきだなんぞとむきになって憎んだりしていたあの頃の自分がまるで嘘のように馬鹿馬鹿しく思われて来るのだよ。本当に儂はもう一生あんな馬鹿げた所へは帰りたくなくなった。……この広大無辺の大自然の中に溶け込んでいると、何だかもう、このまま儂はいつ死んでもいいような気がする。

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泉鏡花

【婦系図】

「失礼な事を云うようですが、今日のもよおしはじめ、貴女方のなさいます慈善は、博くまんべんなくなさけをお懸けになりますので、ひでりに雨を降らせると同様の手段。えしぼんだ草樹も、そのめぐみに依って、蘇生いきかえるのでありますが、しかしそれは、広大無辺な自然の力でなくっては出来ない事で、人間 わざじゃ、なかなか焼石へ如露じょろで振懸けるぐらいに過ぎますまい。」

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Last updated : 2022/11/23