紅毛碧眼
こうもうへきがん
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作家
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作品
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【続野人生計事】
梅花を唯愛すべきジエヌス・プリヌスの花と做すは
紅毛碧眼の詩人のことのみ。予等は梅花の一瓣にも、鶴を想ひ、初月を想ひ、空山を想ひ、野水を想ひ、断角を想ひ、書燈を想ひ、脩竹を想ひ、清霜を想ひ、羅浮を想ひ、仙妃を想ひ、林処士の風流を想はざる能はず。
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【邪宗門】
予は姫君が恋しゅうて、御意得たいと申すのではない。予の業欲に憧るる心は、一度唐土にさすらって、紅毛碧眼の胡僧の口から、天上皇帝の御教を聴聞すると共に、滅びてしもうた。
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【青銅の基督 ――一名南蛮鋳物師の死】
張り子のやうな虎が檻一杯に突つ立つていかめしく睨んでゐるその檻の前には「おらんだ人」と肩書きのある紅毛碧眼の異国人が蝙蝠傘をさした日本の遊女と腕を組んで、悠長にそれを見物してゐる。
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【「プラーゲ旋風」の話】
外国音楽の糟粕を嘗めていたのでは、日本人の生活は美化されもせねば豊富にもならぬ。日本人が紅毛碧眼に染色したら、醜悪以外の何者でもなかろう。
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【四十年前 ――新文学の曙光――】
K博士の卓説の御利生でもあるまいが、某の大臣の夫人が紅毛碧眼の子を産んだという浮説さえ生じた。
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【雪之丞変化】
将軍、大名、小名、旗本、陪臣、富豪、巾着切りから、女白浪――長崎で役を勤めるようになってからは、紅毛碧眼の和蘭、葡萄牙人、顔色の青白い背の高い唐人から、呂宋人まで善悪正邪にかかわらず、凡そありと凡ゆる、人間という人間に接して来ていた。
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【自由人】
上海で懇意にしていた無国籍者のことを、俺は思い出す。紅毛碧眼白肌の中年者だったが、或る時、二人で飲んでいると、彼は突然声を挙げて泣きだした。俺は呆気にとられて、理由を聞くこともちょっと出来ない。
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【三国志 出師の巻】
船から上がる時、その一人一人の兵を見ると、足はみな裸足だが獣骨の足環をはめ、半身の赤銅のような皮膚を剥き出しているが、腕くびに魚眼や貝殻の腕環をなし、紅毛碧眼の頭には、白孔雀や極楽鳥の羽根を飾って、怪美なこと、眼を疑わすほどだった。
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Last updated : 2025/09/19