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▼参考書
紅毛碧眼
こうもうへきがん
作家
作品

芥川龍之介

【続野人生計事】

梅花を唯愛すべきジエヌス・プリヌスの花と做(な)すは 紅毛碧眼(こうまうへきがん)の詩人のことのみ。予等は梅花の一瓣にも、鶴(つる)を想(おも)ひ、初月(しよげつ)を想ひ、空山(くうざん)を想ひ、野水(やすゐ)を想ひ、断角(だんかく)を想ひ、書燈を想ひ、脩竹(しうちく)を想ひ、清霜(せいさう)を想ひ、羅浮(らふ)を想ひ、仙妃(せんぴ)を想ひ、林処士(りんしよし)の風流を想はざる能(あた)はず。

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芥川龍之介

【邪宗門】

予は姫君が恋しゅうて、御意(ぎょい)得たいと申すのではない。予の業欲(ごうよく)に憧るる心は、一度唐土(ひとたびもろこし)にさすらって、紅毛碧眼の胡僧(こそう)の口から、天上皇帝の御教(みおしえ)を聴聞(ちょうもん)すると共に、滅びてしもうた。

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長與善郎

【青銅の基督 ――一名南蛮鋳物師の死】

張り子のやうな虎が檻一杯に突つ立つていかめしく睨んでゐるその檻の前には「おらんだ人」と肩書きのある紅毛碧眼の異国人が蝙蝠傘(かうもりがさ)をさした日本の遊女と腕を組んで、悠長にそれを見物してゐる。

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山下博章

【「プラーゲ旋風」の話】

外国音楽の糟粕を嘗めていたのでは、日本人の生活は美化されもせねば豊富にもならぬ。日本人が紅毛碧眼に染色したら、醜悪以外の何者でもなかろう。

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内田魯庵

【四十年前 ――新文学の曙光――】

K博士の卓説の御利生(ごりやく)でもあるまいが、某(なにがし)の大臣の夫人が紅毛碧眼の子を産んだという浮説さえ生じた。

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三上於菟吉

【雪之丞変化】

将軍、大名、小名、旗本、陪臣、富豪、巾着切(きんちゃくき)りから、女白浪――長崎で役を勤めるようになってからは、紅毛碧眼(こうもうへきがん)の和蘭(オランダ)、葡萄牙(ポルトガル)人、顔色の青白い背の高い唐人から、呂宋(ルソン)人まで善悪正邪にかかわらず、凡(およ)そありと凡(あら)ゆる、人間という人間に接して来ていた。

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豊島与志雄

【自由人】

上海で懇意にしていた無国籍者のことを、俺は思い出す。紅毛碧眼白肌の中年者だったが、或る時、二人で飲んでいると、彼は突然声を挙げて泣きだした。俺は呆気にとられて、理由を聞くこともちょっと出来ない。

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吉川英治

【三国志 出師の巻】

船から上がる時、その一人一人の兵を見ると、足はみな裸足だが獣骨の足環(あしわ)をはめ、半身の赤銅のような皮膚を剥(む)き出しているが、腕くびに魚眼や貝殻の腕環(うでわ)をなし、紅毛碧眼(へきがん)の頭には、白孔雀(しろくじゃく)や極楽鳥(ごくらくちょう)の羽根を飾って、怪美なこと、眼を疑わすほどだった。

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Last updated : 2025/12/26