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浩然之気/浩然の気
こうぜんのき
作家
作品

太宰治

【禁酒の心】

私は禁酒をしようと思っている。このごろの酒は、ひどく人間を卑屈にするようである。昔は、これにって所謂いわゆる 浩然之気こうぜんのきを養ったものだそうであるが、今は、ただ精神をあさはかにするばかりである。近来私は酒を憎むこと極度である。いやしくも、なすあるところの人物は、今日此際このさい、断じて酒杯を粉砕すべきである。

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坂口安吾

【安吾巷談 巷談師退場】

私は以前、取手とりでという利根川べりの小さな町に住んだことがあった。ここは阪東三十三ヵ所だか八十八ヵ所だかの札所で、お大師参りの講中というものがくるのである。先達に引率された婆さん連などであるが、宿屋でドンチャン騒ぎの狂態といったらない。しかし、そういうものを見て感じるのは、日本の家庭の暗さということで、婆さん連が浩然の気を養うのを咎めたいような気持は起らなかった。もっとも、ちょッと目をそむけずにはいられない、因果物的ではあった。

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新渡戸稲造

【教育家の教育】

果して彼の樹が御釈迦様に教育を授けたならば樹も教育家の一つである。また半夜何ということなく宇宙を観じて浩然の気を養うた孟子に取っては森羅万象悉く教育家であろう。

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西尾正

【放浪作家の冒険】

そこで彼はたちまち仲間の放浪芸術家たちを呼び寄せ、カフェからカフェへ居酒屋から居酒屋へ、久々で盛大なる「宴会」を催おし浩然の気を養った挙句、単独でモナコへ渡り、賭場とばモンテカルロですっからかんになると、突然日本に郷愁を感じたものか、再びもとの懐しい紡縷ぼろまとうて、孤影瀟然しょうぜんとして帰来したのである。

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織田作之助

【四つの都】

庄平眼鏡をとったまゝ歩いている。
大仏を凝視していたのと、眼鏡をとっているせいで、彼には物がちいさく見えてならない。
庄平一人大きくなった気持で、悠々と歩く。浩然の気
突然、
「軍医さん!」
と、呼ばれる。振り向くと辻節子だ。(ハワイ帰りのお嬢さん)
庄平、あわてゝ眼鏡を掛ける。とたんに、錯覚が癒り、もう辻節子は実物大に見える。

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夏目漱石

【吾輩は猫である】

うちの小供があまり騒いで楽々昼寝の出来ない時や、あまり退屈で腹加減のよくない折などは、吾輩はいつでもここへ出て浩然こうぜん の気を養うのが例である。

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田山花袋

【田舎教師】

一人でほんばかり読んでいるのは、若い者にはしですよ、神経衰弱になったり、華厳けごんに飛び込んだりするのはそのためだと言うじゃありませんか。青瓢箪あおびょうたんのような顔をしている青年ばかりこしらえちゃ、学問ができて思想が高尚になったって、なんの役にもたたん、ちと若い者は浩然こうぜんの気を養うぐらいの元気がなくっちゃいけませんなア」
 などという。

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宮本百合子

【道標】

劇場広場のエハガキを書いてやったことにはふれていないで、今年は美術学校も卒業で卒業制作だけを出せばいいから目下のところ大いに浩然の気を養ってます、と語っている。

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佐々木味津三

【右門捕物帖 千柿の鍔】

駕籠かごでずっと千駄木村せんだぎむらなる土井大炊守おおいのかみのお下屋敷へおなりになり、ここで狩り着にお召し替えとなって、吉祥寺裏のおたかべやからお鷹をお連れになり、上尾久かみおぐ、下尾久、と川に沿って、ほどよく浩然こうぜんの気を養いあそばしつつ、お昼食は三河島みかわしま村先の石川日向守ひゅうがのかみのお下屋敷、そこから川を越えて隅田村に渡り、大川筋を寺島村から水戸家のお下屋敷まで下って、狩り納めのご酒宴があってから、めでたく千代田城へご帰館というのがその道順でした。

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吉川英治

【黒田如水】

秀吉はく、安土の信長へ向って、こう早飛脚を立てていた。そして一面には、士気を疲らせないために、時折、軍馬を休め、浩然こうぜんの気を養わせて、長期戦を期していた。

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Last updated : 2022/11/23