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▼参考書
空花乱墜
くうげらんつい
作家
作品

夏目漱石

【草枕】

燦爛(さんらん)たる彩光(さいこう)は、炳乎(へいこ)として昔から現象世界に実在している。ただ一翳(いちえい)眼に在(あ)って 空花乱墜(くうげらんつい)するが故に、俗累(ぞくるい)の覊絏牢(きせつろう)として絶(た)ちがたきが故に、栄辱得喪(えいじょくとくそう)のわれに逼(せま)る事、念々切(せつ)なるが故に、ターナーが汽車を写すまでは汽車の美を解せず、応挙(おうきょ)が幽霊を描(えが)くまでは幽霊の美を知らずに打ち過ぎるのである。

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Last updated : 2025/12/26