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▼参考書
無量無数
むりょうむすう
作家
作品

芥川龍之介

【るしへる】

 提宇子(でうす)のいわく、DS(でうす) は「すひりつあるすすたんしや」とて、無色無形の実体にて、間(かん)に髪(はつ)を入れず、天地いつくにも充満して在(まし)ませども、別して威光を顕(あらわ)し善人に楽(らく)を与え玉わんために「はらいそ」とて極楽世界を諸天の上に作り玉う。その始(はじめ)人間よりも前に、安助(あんじょ)(天使)とて無量無数の 天人(てんにん)を造り、いまだ尊体を顕し玉わず。

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太宰治

【地球図】

私が六年さきにヤアパンニアに使するよう本師より言いつけられ、承って万里の風浪をしのぎ来て、ついに国都へついた、しかるに、きょうしも本国にあっては新年の初めの日として、人、皆、相賀するのである、このよき日にわが法をかたがたに説くとは、なんという仕合せなことであろう、と身をふるわせてそのよろこびを述べ、めんめんと宗門の大意を説きつくしたのであった。
 デウスがハライソを作って無量無数のアンゼルスを置いたことから、アダン、エワの出生と堕落について。ノエの箱船のことや、モイセスの 十誡(じっかい)のこと。そうしてエイズス・キリストスの降誕、受難、復活のてんまつ。シロオテの物語は、尽きるところなかった。

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小島烏水

【霧の不二、月の不二 ――明治三十六年八月七日御殿場口にて観察――】

まことや今日本八十州、残る隈(くま)なく雲の波に浸(ひた)されて、四面圜海(くわんかい)の中、兀立(こつりつ)するは我微躯(びく)を載せたる方(はう)幾十尺の不二頂上の一撮土(さつど)のみ、このとき白星を啣(ふく)める波頭に、漂ふ不二は、一片石よりも軽且(かつ)小なり、仰げば無量無数の惑星恒星、 爛(らん)として、吁嗟(ああ)億兆何の悠遠(いうえん)ぞ、月は夜行性の蛾(が)の如く、闌(た)けて愈(いよい)よ白く、こゝに芙蓉(ふよう)の蜜腺なる雲の糸をたぐりて、天香を吸収す、

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高神覚昇

【般若心経講義】

八紘というのは四方八方です。世界、宇宙という事です。十方と同じ意味で、無限の空間、涯(はて)しない世界ということです。要するに三世十方とは、「無限の時間」と「無限の空間」ということです。元来仏教は、キリスト教のごとく、神は一つだという一神論に立っている宗教ではなくて、無量無数の 仏陀(ぶっだ)の存在を主張する、汎神(はんしん)論に立脚しているのです。したがって仏教ではこの無限の時間、無限の空間に亙(わた)って、いつ、いかなる場所にでも、数限りない無量の仏がいられるというのですから、衆生(しゅじょう)の数が無限だとすると、仏の数もまた無限です。

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夢野久作

【ドグラ・マグラ】

 そこでこの地表に泡立ち漂っている塩分の薄い、摂氏四十度内外の温度を保っている海水の一滴を採取して、顕微鏡にかけて覗いてみたまえ。諸君は眼の前に、無量無数に浮游している単細胞生物の拡大像を発見するであろう。将来一切の生命の共同の祖先となるべき元始細胞の大群集を、さながらに見渡し得るであろう。

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Last updated : 2025/12/26