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▼参考書
無量無辺
むりょうむへん
作家
作品

芥川龍之介

【奉教人の死】

されば町を行けば、心ない童部(わらべ)に嘲(あざけ)らるるは元より、刀杖瓦石(とうじょうがせき)の難に遭(お)うた事も、度々ござるげに聞き及んだ。いや、嘗(か)っては、長崎の町にはびこった、恐しい熱病にとりつかれて、七日七夜の間、道ばたに伏しまろんでは、苦み悶(もだ)えたとも申す事でござる。したが、「でうす」無量無辺の御愛憐は、その都度「ろおれんぞ」が一命を救わせ給うたのみか、施物の米銭のない折々には、山の木の実、海の魚介など、その日の糧(かて)を恵ませ給うのが常であった。

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泉鏡花

【おばけずきのいわれ少々と処女作】

 鬼神力が三つ目小僧となり、大入道となるように、また観音力の微妙なる影向(ようごう)のあるを見ることを疑わぬ。僕は人の手に作られた石の地蔵に、かしこくも自在の力ましますし、観世音に無量無辺の福徳ましまして、その 功力(くりき)測るべからずと信ずるのである。乃至(ないし)一草一木の裡(うち)、あるいは鬼神力宿り、あるいは観音力宿る。必ずしも白蓮(びゃくれん)に観音立ち給い、必ずしも紫陽花(あじさい)に鬼神隠るというではない。我が心の照応する所境によって変幻極りない。僕が御幣を担ぎ、そを信ずるものは実にこの故である。

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南方熊楠

【十二支考 虎に関する史話と伝説民俗】

『ラマヤナム』にミチラ王ジャナカ婿を定めんとて諸王子を招き競技せしめた時、ラマ強弓を彎(ひ)いたので王の娘シタがこれを夫と撰定したとある、仏悉達太子と言った時瞿多弥釈女が自撰の場へ行くと、釈女五百の釈種童子を嫌うて太子を撰んで夫とした、仏最初得道の時優陀夷その因縁を問いしに仏答えていわく、昔雪山下に雑類無量無辺の諸獣ありて馳遊す、かの獣中に一つの牝虎あり端正無双諸獣中に比類するものなし、諸獣その夫たらんと望む、相いいて曰く汝ら 且(しばら)く待て共に相争うなかれ、かの牝虎の自選を聴(ゆる)せと、時に一牛王あり牝虎に向いて偈(げ)を説く、〈世人皆我の糞を取り持ち用いて地に塗りて清浄と為す、

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高神覚昇

【般若心経講義】

これは『続日本紀(しょくにほんぎ)』の第二十一巻に出ておる詔勅ですが、要するに、勅語の御趣旨は、上は、天皇から、下は国民一般に至るまで、大にしては、天下国家のため、小にしては、一身一家のために、『心経』一巻を読誦する暇(いとま)なくば、せめてこの般若波羅蜜多の「呪(じゅ)文」を唱えよ、という思し召しであります。さてただ今も申し上げた通り、いったい「呪(じゅ)」とか「真言(しんごん)」とか「陀羅尼(だらに)」などというものは、いわゆる「一字に千理を含む」で、たった一字の中にさえ、実に無量無辺の深い意味が含まれているのですから、古来より梵語を 強(し)いて翻訳せずして、陀羅尼は、陀羅尼のままに、真言は、真言のままに、呪は、呪のままによみ伝えてきたのです。

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夢野久作

【塵】

 塵(ちり)だ。塵だ。おもしろい、不可思議な、無量無辺の塵だ。
 大空を藍色に見せ、夕日を黄金色に沈ませ、都大路の色硝子に曇って、文明の悲哀を匂わせる。
 広大な塵の芸術だ。

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  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

Last updated : 2025/12/26