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佞悪醜穢
ねいあくしゅうわい |
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作家
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作品
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|---|---|
太宰治 |
【お伽草紙】
どうせ、気焔だがね。とにかく、ひやかさずに聞いてくれ給へ。ギリシヤ神話に於いて、最も佞悪醜穢の魔物は、やはりあの万蛇頭のメデウサであらう。眉間には狐疑の深い皺がきざみ込まれ、小さい灰色の眼には浅間しい殺意が燃え、真蒼な頬は威嚇の怒りに震へて、黒ずんだ薄い唇は嫌悪と侮蔑にひきつつたやうにゆがんでゐる。
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佞悪醜穢
ねいあくしゅうわい |
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作家
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作品
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太宰治 |
【お伽草紙】
どうせ、気焔だがね。とにかく、ひやかさずに聞いてくれ給へ。ギリシヤ神話に於いて、最も佞悪醜穢の魔物は、やはりあの万蛇頭のメデウサであらう。眉間には狐疑の深い皺がきざみ込まれ、小さい灰色の眼には浅間しい殺意が燃え、真蒼な頬は威嚇の怒りに震へて、黒ずんだ薄い唇は嫌悪と侮蔑にひきつつたやうにゆがんでゐる。
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