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応急措置
おうきゅうそち |
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作家
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作品
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海野十三 |
【海野十三敗戦日記】 ところが七月七日の午前一時頃痰が赤くなりはじめ、就寝せるも睡りやらず、しきりに痰出でて目がさめ、そのうちに午前四時頃喀血す。従来に比して多量にして、盛んなるときは紙にもとり能わず。洗面器にも吐く暇なく、息つまりそうにて胸がごとごといいてそのまま血をのみこみたり。村上先生来診、応急措置をいたされ、咳とめ注射のおかげにて陶然となりぬ。
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