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▼参考書
冷嘲熱罵
れいちょうねつば
作家
作品

木下尚江

【火の柱】

 吾妻は目を閉ぢ、歯を噛締(くひしめ)て、得堪へぬ悲憤を強ひて抑(おさ)へつ「諸君、僕は実に諸君に対する面目が無いです、――従来(これまで)僕は篠田先生に阿媚(あび)するとか、諂諛(てんゆ)するとかツて、諸君の冷嘲熱罵を被つたですが、僕は 只(た)だ先生を敬慕する余りに、左様な非難をも受くることになつたのです、然るに諸君、僕は全く欺(あざむ)かれて居ました――」吾妻はハンケチもて眼を蔽(おほ)ひつ「僕が諸君の罵詈(ばり)攻撃をさへ甘んじて敬愛尊信した彼は――諸君、――売節漢であつた、疑(うたがひ)もなき間諜(かんてふ)であつた

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Last updated : 2025/12/26