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利害得失
りがいとくしつ
作家
作品

芥川龍之介

【木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)】

順潮にあらずンば軽舟を浮べざりき。然れども義仲は成敗利鈍を顧みざりき、利害得失を計らざりき。彼は塗墻に馬を乗り懸くるをも辞せざりき。

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芥川龍之介

【侏儒の言葉】


   軍事教育

 軍事教育と言うものは畢竟(ひっきょう)只(ただ)軍事用語の知識を与えるばかりである。その他の知識や訓練は何も特に軍事教育を待った後に得られるものではない。現に海陸軍の学校さえ、機械学、物理学、応用化学、語学等は勿論(もちろん)、剣道、柔道、水泳等にもそれぞれ専門家を傭(やと)っているではないか? しかも更に考えて見れば、軍事用語も学術用語と違い、大部分は通俗的用語である。すると軍事教育と言うものは事実上ないものと言わなければならぬ。事実上ないものの利害得失は勿論問題にはならぬ筈(はず)である。

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夏目漱石

【余と万年筆】

万年筆の丸善に於(おけ)る需要をそう解釈した余は、各種の万年筆の比較研究やら、一々の利害得失やらに就(つい)て一言の意見を述べる事の出来ないのを大いに時勢後れの如くに恥じた。

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石川啄木

【雲は天才である】

ト同時に、口の歪んで居る事も、独眼竜な事も、ナポレオンの骸骨な事も、忠太の云つた「気をつけさつしあい」といふ事も、悉皆(すつかり)胸の中から洗ひ去られた。感じ易き我が心は、利害得失の思慮を運(めぐ)らす暇もなく、彼の目に溢れた好意を其儘自分の胸の盃で享けたのだ。

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坂口安吾

【家康】

当時は凡そ同盟をまもるといふことが行はれてをらぬので、利害得失のために同盟を破るのが普通であり、損を承知で同盟をまもり義をまもるなどとは愚かであり、笑ふべきことであり、決して美談だとは考へられてをらなかつた。

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岡本かの子

【新時代女性問答】

近代の女性はなかなか巧利(こうり)的な所もあって兎角(とかく)利害の打算(ださん)の方が感情よりも先に立って利害得失を無視してどこまでも自分の感情を生かそうとする熱情の閃(ひらめき)は多くの場合に於て見られないと思いますね。

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西郷隆盛

【遺訓】

何に故電信鐵道の無くては叶はぬぞ缺くべからざるものぞと云ふ處に目を注がず、猥りに外國の盛大を羨み、利害得失を論ぜず、家屋の構造より玩弄物に至る迄、一々外國を仰ぎ、奢侈の風を長じ、財用を浪費せば、國力疲弊し、人心浮薄に流れ、結局日本身代限りの外有る間敷也。

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西田幾多郎

【我が子の死】

親の愛は実に純粋である、その間一毫(いちごう)も利害得失の念を挟む余地はない。

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林不忘

【寛永相合傘】

むっとしてかあっとなった時には、あらゆる利害得失理窟不理窟を忘れているのである。昔はこういう人間が多かったものだ。

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三好十郎

【俳優への手紙】

往々にして、その事のために前後の一切を忘れることがあるし、まして、その事に関連した利害得失を没却し尽し、又、尽してこそ真に大きな利得を得る――つまり望んだものを手に入れることが出来る。

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小林多喜二

【不在地主】

「……実際、我国の人口、食糧問題がかくまでも行き詰りを感じている現今、北海道、樺太の開墾は焦眉の急務であると思います。そのためには個人の利害得失 などを度外視して、国家的な仕事――戦時に於ける兵士と同じ気持を持ちまして、開墾に従事し、国富を豊かにしなければならない、こう愚考するものでありま す。」(某氏就任の辞)

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井上哲次郎

【明治哲学界の回顧 序論】

これはジェームスのいわゆるテンダーマインデッドの側である。この二つの系統の相互関係如何、その利害得失如何、またその将来の成行き如何というようなことについてはなお本論に至って論ずる心意であるが、

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宮本百合子

【鴎外・芥川・菊池の歴史小説】

 菊池寛は「義民甚兵衛」の生と死とを、あくまで人間の利害得失の打算、必要の相互関係のなかで発揮された一個人甚兵衛の彼にとって最も効果的な命のすて かた、敵の殺しかたとして観察しているのであって、そのような機会をつかんだ甚兵衛の辛辣な笑いに表現された復讐の対象に、象徴されるべきより広汎なもの は掴んでいない。

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高村光雲

【幕末維新懐古談 会の名のことなど】

けれど、私の考えとしては、彫刻界の発達進歩の事に骨を折る会合であると思ってこの会に仲間入りしているのでありますからして、彫刻という大きい意味の世界のことについての利害得失に関しては、充分に自己の考えをも申し述べるつもりで、真面目(まじめ)に審議の是非について考えていた所でありました。

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福沢諭吉

【学問のすすめ】

 以上論ずるところを概すれば、今の世の学者、この国の独立を助けなさんとするに当たりて、政府の範囲に入り官にありて事をなすと、その範囲を脱して私立 するとの利害得失を述べ、本論は私立に左袒したるものなり。すべて世の事物をくわしく論ずれば、利あらざるものは必ず害あり、得あらざるものは必ず失あ り、利害得失相半ばするものはあるべからず。

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夢野久作

【近世快人伝】

もっとも今の政党は主義主張が合うても利害が違うと仲間割れするので、今一段下等なワケじゃが、玄洋社となると理窟なしに集まっとるのじゃけに日本の国体 と同じことじゃ。利害得失、主義主張なぞがイクラ違うても、お互いに相許しとる気持は一つじゃけに議論しながら決して離れん。

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徳田秋声

【縮図】

松島と小菊はいつもそのことで頭を悩ました。小料理屋、玉突き、化粧品店、煙草たばこの小売店、そんな商売の利害得失も研究してみた。彼は洋服屋に懲り懲りした。

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高神覚昇

【般若心経講義】

経済の問題、もちろん必要です。この地上に、人間の生活が営まれるかぎり、私どもは、とうてい「経済」上の利害得失と無関心にはおられません。

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穂積陳重

【法窓夜話】

いやしくも起草委員会において慎重に取調べて案を定め、最も適当なりと信じて提出した以上は、あくまでこれを維持して所信を貫こうと努めるのは当然の事 で、これに依って総会の議事も精密になり、自然利害得失の考究も細かになる訳であるから、一歩も譲らず原案を死守するというのも至極尤である。

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相馬愛蔵

【私の小売商道】

しかり彼らがいう如く、何が面白いのであろうか。自分等にも分らぬのであるが、商業は一種の道楽であって利害得失のほかに面白味がある。

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Last updated : 2022/11/23