柳暗花明
りゅうあんかめい
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作家
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作品
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【虞美人草】
拝啓
柳暗花明の好時節と相成候処いよいよ御壮健奉賀候。小生も不相変頑強、小夜も息災に候えば、乍憚御休神可被下候。さて旧臘中一寸申上候東京表へ転住の義、其後色々の事情にて捗どりかね候所、此程に至り諸事好都合に埓あき、いよいよ近日中に断行の運びに至り候はずにつき左様御承知被下度候
。
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【貢院の春】
滿目の桃林と菜花とは云はずもがな、運河の支脈は村落の中を縱横に貫きて野人の家を繞ぐり、隣家を訪ひ隣村に赴かむとする者、必ず小船に棹して柳暗花明の間を過ぐ。人若し欲すれば、上海よりして杭州に至るまで、此船中の歡を繼續することを得べし。
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【飛行機から墜ちるまで】
――君の名は? と、僕が色欲のダリアに向って聞いた。
――妾、貴男の情婦、夜のボップよ。
すると忽ち女は死物狂い、僕に倒れかかった。
僕とボップ、裏街の夜、アアク燈、柳暗花明の巷を駈け抜けると、古寺院の境内、数時間、僕はだまって経過した。
――ロップ、一時は駄じゃれで君をメキシコ湾だと云ったが、僕の純情知ってくれたか。
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Last updated : 2025/09/19