|
老獪縦横
ろうかいじゅうおう |
|
|
作家
|
作品
|
|---|---|
鳥谷部春汀 |
【明治人物月旦(抄)】
試に見よ、鉱毒問題は古河市兵衛氏と地方一部の農民との間に起れる一小事件のみ 决して之れを天下の大問題と謂ふ可からず 而も田中氏が一たび此問題を持把して下院に現はるゝや、其声頗る大にして、終に下院を動かし、政府を動かし復た之れを一小事件と認むる能はざるに至らしめたり 彼は此問題に於て老獪縦横なる後藤伯と争へり 才弁多智なる陸奥伯と争へり、而して一方に於ては、大胆にして術数ある古河氏を相手として、不撓不屈の戦闘を継続したり
|
|


决して之れを天下の大問題と謂ふ可からず