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老若貧富
ろうにゃくひんぷ
作家
作品

中里介山

【大菩薩峠 東海道の巻】

「さあさあ、皆さんや、これから上人様がお手ずからお名号をお授け下さる、結縁けちえんのお方はこれより一人ずつお通り下さい、お受けになったお方は、あちらからもとのお席へお直りなさるように」
 静粛なもので、三尺ほどの入口から順々に上人の前へ出て名号をおしいただいて、一廻りしてもとの席へ戻って来るのに、みんな一応お先へお先へと言って辞儀じぎをしました。
「さあさあ、お持ちなさい、お持ちなさい」
 上人の言葉つきからお授けぶりが、いかにも気軽であります。
 名号を受ける人は、 老若貧富ろうにゃくひんぷをおしなべて少ない数ではありませんでした。一生に一度こんな貴い上人のお手ずからの名号をいただく冥加みょうがの嬉しさ、これが罪障消滅ざいしょうしょうめつ後生安楽ごしょうあんらくと随喜の涙にくれているものばかりであります。
「お前は少しお待ち」
 いま上人の前に出た五十ぐらいの頑丈がんじょうな男、その男には上人が容易たやすく名号を渡すことをしませんでした。
「お前は、もと船乗をしていたろうな」
「はい、左様でございます」
 頑丈な男は額へ手を当ててお辞儀をしました。集まった人は何事かと思いました。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2022/11/23