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▼参考書
石心木腸
せきしんもくちょう
作家
作品

木下尚江

【火の柱】

「君、僕は昨夜(ゆうべ)からの疑問だがネ、梅子さんの胸底には若(も)し、恋(ラブ)が潜んでるのぢや無からうか」大橋は莞爾(につこ)と打ち笑み「勿論(もちろん)! 彼女の心が恋愛(こひ)の聖火に燃ゆること、抑(そ)も一朝一夕の故(ゆゑ)に非らずサ、遂(つひ)に石心木腸(せきしんもくちやう)なる井上与重の如きをして、物や思ふと問はしむる迄に至つたのだ、僕の如きは疾(とく)の昔から彼女をして義人を得、彼をして才色兼備の良婦を得せしめ給はんことを祈つて居るんだ」

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Last updated : 2025/12/26