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▼参考書
大同小異
だいどうしょうい
作家
作品

正岡子規

【歌よみに与ふる書】

日本人と外国人との合(あい)の子(こ)を日本人とや申さん外国人とや申さんとしやれたると同じ事にて、しやれにもならぬつまらぬ歌に候。この外の歌とても大同小異にて 駄洒落(だじゃれ)か理窟ツぽい者のみに有之候。それでも強(し)ひて『古今集』をほめて言はば、つまらぬ歌ながら万葉以外に一風を成したる処は取得(とりえ)にて、如何(いか)なる者にても始めての者は珍しく覚え申候。

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夏目漱石

【坊っちゃん】

三時間目も、四時間目も昼過ぎの一時間も大同小異であった。最初の日に出た級は、いずれも少々ずつ失敗した。教師ははたで見るほど楽じゃないと思った。授業はひと通り済んだが、まだ帰れない、三時までぽつ 然(ねん)として待ってなくてはならん。

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芥川龍之介

【俊寛】

辺土(へんど)の民はいつの世にも、都人と見れば頭を下げる。業平(なりひら)の朝臣(あそん)、実方(さねかた)の朝臣、――皆大同小異ではないか? ああ云う都人もおれのように、 東(あずま)や陸奥(みちのく)へ下(くだ)った事は、思いのほか楽しい旅だったかも知れぬ。」

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福沢諭吉

【京都学校の記】

四所の中学校には、外国人を雇い、英仏日耳曼(ゼルマン)の語学を教えり。その法は東京・大坂に行わるるものと大同小異。毎校生徒の数、男女百人より二百人、その費用はまったく官より 出(い)ず。

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二葉亭四迷

【平凡】

年中鉄舟先生(てっしゅうせんせい)やら誰やらの半折物(はんせつもの)が掛けてあって、花活(はないけ)に花の絶えたことがない……というと結構らしいが、其代り真夏にも寒菊が活(いけ)てあったりする。造花なのだ。これは他(た)の部屋も大同小異だったが、 唯(たッ)た一つ他(た)の部屋にはなくて、此部屋ばかりにある、謂わば此部屋の特色を成す物があった。

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北大路魯山人

【夜寒に火を囲んで懐しい雑炊】

料理屋では、うずらをもって自慢気に作る習慣がある。蓋(けだ)し、うずらが一番美味であるからである。しかし、つぐみ、山鳥類、小鳥類、なんであっても、同じ用途として効果がある。それぞれ味に良否の区別はあるが、大同小異(だいどうしょうい)と知っておいてまちがいはない。ミンチにかけるなどの方法で肉を細かくし、これを米といっしょにお粥(かゆ)に煮て、出し汁をかけて食べるのも一方法であり、また、一法としては、微塵(みじん)肉にした鳥を、味付け煮にして、出来上がったお粥の中へ加えて、攪拌(かくはん) し、すりしょうがを加えて食べるのもよい。

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萩原朔太郎

【石段上りの街】

普通の田舎町らしい――漁師町らしい――気分と、温泉町らしい特異の気分とが不調和に混同して、妙に落付きの悪い安価の印象をあたへる。それに場所も平地であるから、雲霧とか山霧とかいふ温泉特有の情趣がなく、すべて感じが乾燥して居る。尤も伊東は特別にくだらぬ温泉であるが、他の熱海でも別府でも、温泉らしくない点では、伊東と大同小異であらう。

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坂口安吾

【桐生通信】

私の育った尋常学校は代表的な小学校だが、先生のテニスコートを辛うじて一ツつくる広さがあるだけで、生徒の野外運動場は完全にない。他も大同小異で、お手々つないでワをつくる校庭があればよい方だった。

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小出楢重

【油絵新技法】

左側の部屋では憎々しい男が四、五名の芸者と寝ながら花札を弄んでいます。その隣その隣と考えるとまったく悲観せずにはいられません。
 総体が遊びであります。画家は仕事です。それでは憤然としてここを立ち去るとしますか、どこへ行っても大同小異です。思い切ってトワールを張って、何かいい場所を探し当てに出てみるとします。かなり神経がゆがんでしまっているので何を見ても一向つまらない風景に見えて来ます。

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吉川英治

【随筆 新平家】

玉葉(ぎょくよう)をはじめ、吉記(きっき)、愚管抄(ぐかんしょう)、吾妻鏡(あずまかがみ)、そのほかどうよせ集めてみても、寿永二年七月の平家西走前後の記事など、ほとんど大同小異で、四、五十行の小記事があるにすぎないし、新しい発見などはなしえない。

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Last updated : 2025/12/26