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男女同権
だんじょどうけん
作家
作品

芥川龍之介

【開化の良人】

私はその浅黒い顔に何か不快な特色を見てとったので、咄嗟とっさに眼をらせながらまた眼鏡オペラグラスをとり上げて、見るともなく向うの桟敷さじきを見ますと、三浦の細君のいるますには、もう一人女が坐っているのです。楢山ならやま女権論者じょけんろんしゃ――と云ったら、あるいは御聞き及びになった事がないものでもありますまい。当時相当な名声のあった楢山と云う代言人だいげんにんの細君で、盛に男女同権を主張した、とかく 如何いかがわしい風評が絶えた事のない女です。

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太宰治

【男女同権】

十年間、私は当然、弟の女房や、またその女房の妹だの叔母だの、何やらかやらの女どものために、複雑奇妙の攻撃を受け、この世に女のいるあいだは、私の身の置き場がどこにも無いのではなかろうかと、ほとほと手を焼いて居りましたら、このたび民主主義の 黎明れいめいが訪れてまいりまして、新憲法に依って男女同権がはっきり決定せられましたようで、まことに御同慶のいたり、もうこれからは、女子は弱いなどとは言わせません、なにせ同権なのでございますからなあ、実に愉快、なんの遠慮も無く、 かばうところも無く、思うさま女性の悪口を言えるようになって、言論の自由のありがたさも、ここに於いて極点に達した観がございまして、あの婆さん教授に依って詩の舌を根こそぎむしり取られました私も、まだ女性を訴える舌だけは、この新憲法の男女同権、言論の自由に依って許されている筈でございますから、私のこれからの余生は挙げて、この女性の暴力の摘発にささげるつもりでございます。

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坂口安吾

【明日は天気になれ】

たまにギョッとさせたことはあっても、酔っぱらッて抱きついて口説かれたとか口説かれないとかのバクロ演説では話にならない。女の子が酔っぱらッてズロースをかなぐりすてるようなことをすれば、天下の野郎どもがギョッとするのは当たり前のことで、人殺しと同じことだ。智恵のある芸じゃない。
 男女同権いらい、近来とみに女の子がカスんでしまったのは、どういうわけであろうか。
 野郎どもが狸だかイタチだかネズミだかわからないようなチョロチョロした小者ばかりになって、かりにも獅子とか虎とかワニとかウワバミのような大者がいなくなってしまった。

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宮本百合子

【私の書きたい女性】

風俗小説の範囲で現実を見るだけでも、女の社会的な動きの一方には、婦人の参議院議員からはじまって少女歌劇の女優、婦人作家をふくむ女重役というものがあらわれているし、兜町・堂島に、女の相場がはやって来ています。その一方では、民主的な日本の新しくすがすがしい生活建設をめざして美しく雄々しく、恋愛し、結婚して行きたいと願う若い女性の大群が、実際生活のなかに本当の男女同権が確立するように働く人民としての女性の独立が可能である条件を作ろうとして奮闘しています。

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豊島与志雄

【庶民生活】

 おばさんが、調理場から声をかけた。
「中村さん、そりゃあ、あんたの方が悪いんですよ。もっと奥さんを大事にしてあげなさい。こないだもわたしのところに来て、こぼしていましたよ。」
「然しあいつ生意気に、男女同権とかなんとか言い出すんですからね。わたしは断言しますが、女は男より劣ること数等で、食うことと眠ることと饒舌ること以外に、何の能がありますか。」
 中村の話はそれから、次第に乱暴になってきて、まるで焼酎を相手に饒舌ってるかのようだった。

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北大路魯山人

【握り寿司の名人】

今一つの新傾向は、女の立ち食い、腰掛こしかけ食いが驚くほど増えて来て、男と同じように「わたしはトロがいい」「いや赤貝あかがいだ」「うにだ」と生意気なまいきをやって、噴飯ふんぱんさせられることしばしばという次第だ。寿司においては、いちはやく男女同権の世界に を進めたようだ。

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戸坂潤

【思想と風俗】

過剰労働力がうようよしていて夫が頭痛の種でさえある処に、特殊な女性向き労働を除いて、不熟練な婦人労働力など何の必要があろう。従って家庭労働を社会化し主婦や娘達を生産場面へつれ出すことは、一般的に云うと資本には何等の興味のもてないことなのだ。この際に男女同権の叫びなどは、それが何か或る一つの恐るべき勢力と結びついて恐怖とならぬ限り、資本の耳に訴えることの出来る筈はない。ブルジョア・デモクラシーの発達が低い日本に於ては特にそうだ。

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斎藤緑雨

【もゝはがき】

黒縮くろちりつくりでうらから出て来たのは、豈斗あにはからんや車夫くるまやの女房、一てうばかりくと亭主ていしが待つてて、そらよと梶棒かぢぼう引寄ひきよすれば、衣紋えもんもつんと他人行儀たにんぎようぎまし返りて急いでおくれ。女房も女房なり亭主も亭主也、男女同権どだんじようけんなり五穀豊穣也ごこくほうじようなり、三銭均一也せんきんいつなり。これで女房が車からりて、アイと駄賃だちんを亭主に渡せば完璧々々くわんぺき/\/\

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長谷川時雨

【明治美人伝】

このひと覇気はきあるために長く宮中におられず、宮内を出ると民権自由を絶叫し、自由党にはいって女政治家となり、盛んに各地を遊説ゆうぜいし、チャーミングな姿体と、熱烈な男女同権、女権拡張の説をもち、十七、八の花の盛りの令嬢が、 島田髷しまだまげで、黄八丈きはちじょうの振袖で演壇にたって自由党の箱入り娘とよばれた。さびしい晩年には小説に筆を染められようとしたが、それも病のためにはかばかしからず、母堂にみとられてこの世を去った。

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Last updated : 2022/11/23