大兵肥満
だいひょうひまん
たいひょうひまん
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作家
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作品
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【邪宗門】
御親子の間がらでありながら、大殿様と若殿様との間くらい、御容子から御性質まで、うらうえなのも稀でございましょう。大殿様は御承知の通り、
大兵肥満でいらっしゃいますが、若殿様は中背の、どちらかと申せば痩ぎすな御生れ立ちで、御容貌も大殿様のどこまでも男らしい、神将のような俤とは、似もつかない御優しさでございます。
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【佐橋甚五郎】
望月の夜である。甲斐の武田勝頼が甘利四郎三郎を城番に籠めた遠江国榛原郡小山の城で、月見の宴が催されている。大兵肥満の甘利は大盃を続けざまに干して、若侍どもにさまざまの芸をさせている。
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【真田幸村】
茲に最も哀れをとどめたのは、大将吉田修理亮である。彼は、真先に飛込んで、間もなく馬の足を鎖に捲きたおされ、ドウと許り、真倒まに河中に落ちた。が、大兵肥満の上に鎧を着ていたので、どうにもならず、翌日の暮方、天満橋の辺に、水死体となって上った。
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【追憶の医師達】
あるちょっとした腫物を切開しただけで脳貧血を起して卒倒し半日も起きられなかった大兵肥満の豪傑が一方の代表者で、これに対する反対に気の強い方の例として挙げられたのは六十余歳の老婆であった。
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【越後獅子】
中肉中背、濃い眉毛と少し大き過ぎる締った口の外には特長のない、眼鏡も髯もなく、毬栗頭で、黒の背広に鼠色のネクタイという、誠に平凡な外貌の山井検事が、大兵肥満で、ガッシリした、実行力に富む署長と、相対した時には、佳いコントラストを為した。
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【狂歌師赤猪口兵衛 ――博多名物非人探偵】
「ナ……何で御座る。もう夜が明けておるのに……バ……バ……バケモノとは……」
方丈の明障子をガタガタと押開けて大兵肥満の和尚が顔を突出したが、これも見かけに似合わぬ臆病者らしく、早や顔色を失って、眼の球をキョロキョロさせていた。
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【草藪】
到頭この日も附添婦を雇う話は、こんなことで有耶無耶のうちに過ぎてしまった。
ところがその翌日の昼ごろには、うす物の良い身なりをした大兵肥満の女のひとが素通りで、とよ子の方へはいって来た。前後の事情で問わずとも次兄の妻女ということが、私にはわかっていた。
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【化生のもの】
彼は私に抵抗し、組打となりました。一瞬、私には殺意が萌しました。これは重大なことです。然し幸にも、彼は崖から転落して、その下の泥沼にはまり込みました。もし彼が酒に酔っていなかったら、彼は大兵肥満で強力ですから、私の方が締め殺されるか、泥沼に投込まれるかしたことでしょう。
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【右門捕物帖 南蛮幽霊】
しかし、残念なことに、その結果はいっこう平凡なものばかりだったのです。判明した材料というのは次の三つで、第一は長助が十八貫めもあった大兵肥満の男だったということ、第二はまえにもいったように葛飾在の草相撲上がりであったということ、それから第三は非業の死をとげた三日ほどまえにその職務に従い、牛込の藁店でだんなばくちを検挙したということでありました。しいて材料にするとするなら、最後のそのだんなばくちの検挙があるっきりです。
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【釘抜藤吉捕物覚書 宇治の茶箱】
生前お関取りとまで綽名されていただけあって、大兵肥満の撰十は、こうして歳暮の鮭のように釣り下がったところもなんとなく威厳があって、今にも聞き覚えのある濁み声で、
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Last updated : 2025/09/19