ご利用について
▼参考書
電光朝露
でんこうちょうろ
作家
作品

中里介山

【 大菩薩峠 他生の巻 】

「茂ちゃん、お前は後生というのを知っていますか……人間に生(しょう)を受けたこの世は長くても百年。五十年を定命(じょうみょう)と致すそうでございます。けれども生命の流れは曠劫(こうごう)より来(きた)って源(みなもと)を知ること能(あた)わず、未来際(みらいざい)に流れてその尽頭(じんとう)を知ることができないのですよ。五十年百年の命は、この長き生命の流れに比べますと、電光朝露 (でんこうちょうろ)よりも、なお速(すみや)かなものだと思いませんか……後生がないという人は、一日の間に昼夜がないというのと同じことです、死は暫くの眠りでございます……」

青空文庫で読む

中里介山

【 大菩薩峠 弁信の巻 】

なあに、あなた、険山難路を軽んずるわけではござりませぬが、白骨から平湯の間は三里の路と承りました、それに三日前に人間の通った道でござりますれば、わたくしにそのあとが追えないというはずはござりますまい。食事の方もお気づかい下さいますな、これが先日いただきました 蕎麦粉(そばこ)でございますが、お腹のすいた時分にこれを水で掻(か) いていただきますと、まだ私の食と致しましては五日ぶんはたっぷりあるのでございますから、それを身につけてまいる上は仔細ござりませぬ。では皆様、御機嫌よろしく。はからぬ御縁で、この白骨の谷に、皆様のあらゆる御好意の下に弁信は、三日を心ゆくばかり休ませていただきました。いずれに致せ、電光朝露の人の身、今日別れて明日のことは、はかりがたなき世の中でござりまするが、御再会の期がないとは申されませぬ、では、どうぞ御機嫌よろしく……

青空文庫で読む

夢野久作

【 超人鬚野博士 】

 イヤ、出世だよ。たしかに出世だよ。堕落じゃないよ。第一昨日(きのう)までは毎日何度となくタタキ店の瀬戸物みたいに荒板の上にタタキ付けられていた奴が、今日は正反対に真綿(まわた)ずくめの椅子やクションの上でフワフワフワフワと下にも置かず歓待される訳だからね。人生は京の夢、大阪の夢だ。 電光朝露(でんこうちょうろ)応作(おうさ)如是観(にょぜかん)だ。まあ聞け……そんな経緯(わけ)で吾輩は、その未亡人の手に付くと、お母さんだか妹だか訳のわからないステキな幸福に恵まれながら学問を教(おそ)わった。

青空文庫で読む

 
  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

Last updated : 2025/12/26