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天真爛漫
てんしんらんまん
作家
作品

正岡子規

【墨汁一滴】

 これらの歌多くは事に逢うて 率爾 そつじ に作りし者なるべく文字の 排列 はいれつ などには注意せざりしがために歌としては善きも悪きもあれどとにかく 天真爛漫 てんしんらんまん なる処に元義の人物性情は 躍如 やくじょ としてあらわれ居るを見る。

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夏目漱石

【行人】

 自分は兄の気質が女に似て陰晴常なき天候のごとく変るのをよく承知していた。しかし 見識 けんしき ある彼の特長として、自分にはそれが 天真爛漫 てんしんらんまん の子供らしく見えたり、または玉のように 玲瓏 れいろう な詩人らしく見えたりした。

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芥川龍之介

【解嘲】

 最後に君は「うせ随筆である。そんなに むず かしく考えない方が い。あんまり出たらめは困るけれども、必しも風格高きを要せず、名文であることを要せず、博識なるを要せず、ることを要しない。素朴そぼくに、 天真爛漫てんしんらんまんに、おのおのの素質そしつ に依って、見たり、感じたり、考えたりしたことが書いてあれば、それでよろしい」と云っている。

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中島敦

【悟浄出世】

 その年の秋、悟浄ごじょうは、はたして、大唐だいとう玄奘法師げんじょうほうし値遇ちぐうし奉り、その力で、水から出て人間となりかわることができた。そうして、勇敢にして 天真爛漫 てんしんらんまん聖天大聖せいてんたいせい孫悟空そんごくうや、怠惰たいだな楽天家、天蓬元帥てんぽうげんすい猪悟能ちょごのうとともに、新しい遍歴へんれきの途に上ることとなった。

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内田魯庵

【二葉亭四迷の一生】

この断案の中に真理がない事はないが、この偏寄かたよった下層興味にしばしば誤まられて、例えば婦人を観察するにあたっても、英語の出来るお嬢さんや女学校出の若い奥さんは人形同様で何の役にも立たないと頭からけなしつけ、下等女の阿婆摺あばずれを活動力に富んでると感服したり、貧乏人の娘が汚ない扮装なりをしてめず臆せず平気な顔をしているのを虚栄にとらわれない天真爛漫と解釈したり、飛んでもない見当違いをする事が 度々たびたびであった。

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太宰治

【右大臣実朝】

ハルサメノ露ノヤドリヲ吹ク風ニコボレテ匂フヤマブキノ花
 天真爛漫とでも申しましょうか。心に少しでも屈託があったなら、こんな和歌などはとても作れるものではございませぬ。

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倉田百三

【女性の諸問題】

「生死即涅槃」といって、これが大涅槃である。涅槃に達しても、男子は男子であり、女子は女子である。女性はあくまで女性としての天真爛漫であって、男性らしくならなければ、中性になるのでもない。女性としての心霊の美しさがくまなく発揮されるのである。

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宮本百合子

【わが父】

父が一人の父として、燦きのある暖い水のように豊富自由であり、相手を活かす愛情の能力をもち、而もそういう天賦の能力について殆どまとまった自意識を持たなかった程、天真爛漫であった自然の美しさについて、心から讚歎を禁じることの出来ないのは恐らく我々肉親の子ら、その中でも最も複雑微妙な情愛に結ばれて、謂わば諸共に人生の幾峠かを踰え終せたような娘の一人である私の心持ではないであろうか。

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豊島与志雄

【牛乳と馬】

彼の言行のうちには、なにか普通の作法に外れたようなところがあり、それが傲慢から来るのか天真爛漫から来るのかは分らないが、悪心はないように見えるのだった。

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長谷川時雨

【旧聞日本橋 15 流れた唾き】

お長屋に警官さんがいても、その人もまたほんとの人間にかえって、胸毛を出して、尻をまくりあげて、渋団扇しぶうちわでバタバタやって来会される。おかみさんの肌抜ぎもとがめなければ、となりのお父さんのててら一つなのも当り前なのだ、真に 天真爛漫てんしんらんまん、更けるほど話ははずむ。何処どこでもする怪談ばなし、新聞がいまほど行き渡らないから旧幕時代の、あかのつききった「お岩様」で声をひそめている。

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Last updated : 2022/11/23