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羊頭狗肉
ようとうくにく |
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作家
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作品
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太宰治 |
【『老ハイデルベルヒ』序】
竹村書房主は沈思のあげく、かうしたらどうでせう、この紙不足の折に兩書とも再版などは、とても出來るものではありませんし、この二つの著書から特に著者の氣にいりの同じ匂ひの作品ばかりを寄せ集めて一本にまとめたら、といふ意見を提出した。戰時下の、自肅再版形式とでも稱すべきか。著者もよろこんで贊意を表した。いまだ兩書を讀まぬ人だけが、買ふとよい。兩書を讀んだ人も、この新しい編輯に依つて讀み直したいと思つたら、買ふがよい。羊頭狗肉ではないつもりだ。
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