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有名無実
ゆうめいむじつ
作家
作品

坂本竜馬

【船中八策】

一、天下の政権を朝廷に奉還せしめ、政令宜しく朝廷より出づべき事。
一、上下議政局を設け、議員を置きて万機を参賛せしめ、万機宜しく公議に決すべき事。
一、有材の公卿・諸侯および天下の人材を顧問に備へ、官爵を賜ひ、宜しく従来有名無実の官を除くべき事。
一、外国の交際広く公議を採り、あらたに至当の規約を立つべき事。
一、古来の律令を折衷し、新に無窮の大典を撰定すべき事。
一、海軍宜しく拡張すべき事。
一、御親兵を置き、帝都を守衛せしむべき事。
一、金銀物貨宜しく外国と平均の法を設くべき事。
 以上八策は、方今天下の形勢を察し、之を宇内うだい万国に徴するに、之を捨てて他に済時の急務あるべし。いやしくも此数策を断行せば、皇運を挽回し、国勢を拡張し、万国と並立するも亦敢てかたしとせず。ふしねがはくは公明正大の道理にもとづき、一大英断を以て天下と更始一新せん。

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国木田独歩

【酒中日記】

 その頃学校改築のことで自分はその委員長。自分の外に六名の委員が居ても多くは有名無実で、本気で世話を焼くものは自分の外に升屋の老人ばかり。予算から寄附金のことまで自分が先に立って苦労する。

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永井荷風

【江戸芸術論】

あたかもこの時に当り小説家の淵叢えんそうたりし硯友杜けんゆうしゃの才人元禄文学の研究と共にまた盛んに俳句を咏ぜしは斯道しどうの復興にあずかつてはなはだ力ありしなり。然れども大正年間に及びていはゆる新傾向の称道を見るに至り俳諧も遂に本来の面目めんもく体裁ていさいを破却せられ漸く有名無実のものとならんとす。これ現代俳句界の 趨勢すうせいなり。

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岸田國士

【著作者側の一私見 ――出版権法案について――】

 要するに、出版契約の締結というものが、これまで甚だ軽視されていた実情であるから、将来、これを励行するとしても、利益の観念に多少相違もあり、一般の想像以上実務に疎い大多数の著作者を、出版者側の意見に服せしめることは極めて容易である事実を考えれば、良心ある出版者は、寧ろこれによって生ずる弊害を顧慮し、既存の著作権法を、更に、合法的に有名無実ならしめるような条文を忌避することが必要である。

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菊池寛

【賤ヶ岳合戦】

既に秀吉は自ら京に留り、山崎宝寺に築城して居住し、宮廷に近づき畿内の諸大名と昵懇じっこんになり、政治に力を注いだから、天下の衆望はおのずから一身に集って来た。柴田を初めとした諸将の代官なぞ、京都に来ているが、有名無実である。更に十月には独力信長の法事を、紫野大徳寺に行った。柴田等にも参列を勧めたが、やって来るわけもない。

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坂口安吾

【梟雄】

 尾張の本来の守護職は斯波しば氏であった。その子孫は信長の居候をしていた。
 三河には足利将軍家の次の格式をもつ吉良きら氏が落ちぶれて有名無実の存在となっていた。今川氏の世話をうけていたが、今川よりも一ツ格式は上の名家であった。

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横光利一

【純粋小説論】

純粋小説の内容は、このふらつく眼の、どこを眼ざしてふらつくか、何が故にふらつくかをさぐることだ。これが純粋小説の思想であり、そうして、最高の美しきものの創造である。も早やここに来れば、通俗小説とか、純文学とか、これらの馬鹿馬鹿しい有名無実の議論は、万事何事でもない。

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織田作之助

【聴雨】

 十六年振りの対局というだけでも、はや催し物としての価値は十分である。おまけに相手は当代の花形棋士、木村・花田両八段である。この二人は現に続行中の名人位獲得戦で第一、二位の成績ををさめ、名人位は十中八九この二人の間で争はれるだろうという情勢であった。もし、この二人が坂田に敗れるとすれば、折角争い った名人位も有名無実なものとなつてしまうだろう。つまりは、坂田対両八段の対局は名人位の かなえ の軽重を問うものであった。花田・木村としては負けるに負けられぬところであった。

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岡本綺堂

【明治時代の湯屋】

むかしから「板の間稼ぎ」という専門の名称もあるくらいで、湯屋の盗難は今に始まったことでも無いが、警察から屡々注意するにも拘らず、男湯にも女湯にも板の間かせぎが跋扈する。それを防ぐために、夜間混雑の際には脱衣場に番人を置くことになったが、大抵は形式的に十四五歳の少女を置くに過ぎず、夜が更けると居睡りなどをしているのが多いので、これ等の番人は案山子も同様と心得て、浴客自身が警戒するのほかは無かった。湯屋で盗難に逢った場合には、その被害者に対して営業者が弁償の責を負うと云う事になったが、それも殆ど有名無実で、所詮は被害者の泣寝入りに終った。それでも湯屋へ美服を着てゆくのは止まなかったのである。

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中里介山

【大菩薩峠 畜生谷の巻】

まずどこへ行っても、挙動不審と見られたことのないのは、一つは少年のせいでもあろうが、一方から言うと、こんな高札を立てたこと、そのことがすでに幕府の警察力の薄弱を充分に暴露したもので、怪しいと見た奴は容赦なく召捕れとか、手向い致さばきり殺すとも、打ち殺すとも勝手次第と触れてみたところで、おかみ役人そのもののもてあます浪人を、進んでとがめたり、からめたりしようという向う見ずは、人民の中にそうたくさんありそうな理窟はない、有名無実な高札だとして、さのみ心に留めてはいませんでした。仏頂寺、丸山の徒ならば、横目で睨んで冷笑を浴びせて通るべく、南条、五十嵐あたりならば、墨を塗って走り去るかも知れません。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
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Last updated : 2022/11/23