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優勝劣敗
ゆうしょうれっぱい
力のまさっている者が勝ち、劣っている者が負けること。特に、生存競争で強者・適者が栄え、そうでないものが滅びること。
⇒ 弱肉強食 ⇒ 優勝劣敗
作家
作品

芥川龍之介

【猿蟹合戦】

 その上新聞雑誌の輿論よろんも、蟹に同情を寄せたものはほとんど一つもなかったようである。蟹の猿を殺したのは私憤しふんの結果にほかならない。しかもその私憤たるや、おのれの無知と軽卒けいそつとから猿に利益を占められたのを忌々いまいましがっただけではないか? 優勝劣敗の世の中にこう云う私憤を らすとすれば、愚者にあらずんば狂者である。――と云う非難が多かったらしい。

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新渡戸稲造

【自警録】

たとい商売人でも役人でも、書生でもいかなる職業の人でも自分の同業者の悪口をいう。はなはだしきは人身攻撃じんしんこうげきをする者もある。して彼らの理由をただせば、人間が世の中にいる以上は、優勝劣敗 ゆうしょうれっぱいの原則にしたがい競争するを要するがゆえ、かくすると弁解する。なるほど競争とか優勝劣敗とかいうと、学理的でよく聞こえるけれども、この理屈を実行に翻訳するにあたっては勝手なやり方をする。敵を たおすにはいかなる手段方法をも用いる、うそをついてもかまわぬというは、優勝劣敗あるいは生存競争ということを読み違えていると言わなければならぬ。

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新渡戸稲造

【デモクラシーの要素】

深更に獅子一たび吼ゆればあらゆる動物が大小となく恐怖の念をいだき、あるいは鳴きあるいは隠れ、あるいは慄えたりする様があきらかに分る。しかるに獅子そのものは安心しているかというに、何か自分の身に危害を及ぼすものなきかを思うらしく、安心の態度は更にない。要するに恐怖心が彼らの心理的状態であることを述べてあったが、そうありそうに想われる。いわゆる優勝劣敗の行わるる境遇に於ては優も劣も互に恐れ合いまた疑い合い辛うじてその存在を全うしているのであるかかる社会に於て如何にして積極的行動が行われ得るであろう。米国の未開地の中央などに行くと、野生の牛がいるという。

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北村透谷

【内部生命論】

外部の文明は内部の文明の反影なり、而して東西二大文明の要素は、生命を教ふるの宗教あると、生命を教ふる宗教なきとの差異あるのみ。優勝劣敗の由つて起るところ、 こゝに存せずんばあらざるなり。平民的道徳の率先者も、社会改良の先覚者も、政治的自由の唱道者も、誰か斯民に生命を教ふる者ならざらんや、誰れか斯民に明日あるを知らしむる者にあらざらんや。

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岸田國士

【一国民としての希望】

 優勝劣敗は世の常だから止むを得ぬと云うのか? これが国家にとつて由々しいことだというのは、かくして、国民の大部は、自ら、いわれなく社会的失敗者をもって任じてしまうからである。いくぶんの諦めは、その感情を次第に押しこめてしまうであろう。

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鳥谷部春汀

【明治人物月旦(抄)】

伯は実に天性進歩主義の人物なり伯の進歩主義は独り政治上の智識より出でたるに非ずして、即ち伯の生命なり、伯の理想なり之れを伊藤侯の動もすれば林下退隠の状を為すに比す、則ち本領の甚だ差別あるを知るに足る伯又口を開けば常に自由競争を語る自由競争は乃ち伯の人生観たる莫らんや人生既に自由競争の運命ありとせば、優勝劣敗は天則にして、世界は優者の舞台なり伯の老て益々壮んなるは顧うに之れが為のみ。

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徳富蘇峰

【将来の日本】

 いかなる自由の意志を有する動物も、必要の前には必ずその首をれざるべからず。実に上古において武備機関を設けざるべからざるの必要は、すでに他の一種、異様異彩なる貴族的の現象を生ぜざるべからざるの必要を産せしめたり。しかしてなんの必要ありて上古においては武備機関を設けざるべからざらしめたるか。人間社会の進歩せざるべからざる必要あるがゆえなり。せつにこれをいえば、優勝劣敗の妙理を活用してもって優等の人種と優等の社会とをして社会に生存せしめ、社会を支配せしめんとするの必要あるがゆえなり。

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吉川英治

【随筆 新平家】

 また一夕、人に招かれて銀座のハゲ天の奥に坐ると、白い割烹着かっぽうぎで座敷天ぷらの長箸ながばしを使いながらハゲ天氏がしみじみと「義仲って者も、なんて可哀そうなんでしょうなア」と、油鍋の中の音と一しょにつぶやいた。現代の市井に生きて優勝劣敗の烈しさを軒並みに朝夕見ている人々にも、何か思いのつながるものがあるのであろうか。

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Last updated : 2022/11/23