作品に出てくるものの数え方(助数詞)
 
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足
作 家
作 品
長塚節
【痍のあと】
駒を曳き連れた博勞が一人やつて來た。素晴しい大きな男で、前へ草鞋一足ぶらさげて居る。茱萸の大きな枝を持つて毟つてはしやぶり、毟つてはしやぶりつゝ行くのである。
平林初之輔
【山吹町の殺人】
念のために彼は下駄箱をあけて見たが、無論そんなところへ靴がひとりでに移転している筈はない。土間には、平常履(ふだんば)きの女下駄一足脱ぎすててあるばかりだった。やっと回復した彼の落ちつきは、この思いがけない出来事のために根柢(こんてい)から覆(くつが)えされてしまった。
宮本百合子
【両輪−−創造と評論活動の問題−−】
文学のあたたかさ、熱気、創造にはげましふるいたたせる熱量は、けっして世俗の人情の上にだけ立つものではない。千八百円ベースの日々の辛酸が図表や統計にあらわされて、バケツは二百年に一箇、七年に一足と示されたとき、家々のチャブ台のまわりの歎息は公の場所にその整理された形での実感を見いだし、実感が必然の行動にうつるスプリング・ボードの一つともなってくる。
宮本百合子
【婦人大会にお集りの皆様へ】
都民税というものは二三年前は一円から五六円どまりのものでした。ところが、今度発表された率によると、平均一戸五百円以上ぐらいに計算されています。その税を、どういう懐の中から捻出してゆかなければならないかといえば、千八百円ベースあるいは二千四百円ベースの家計の中からです。通勤・通学のための交通費のおそろしいはね上り、またこの夏から一段とひどくなった諸物価のはねあがり。婦人靴下一足千何百円という暮しのなかで、大やみ屋や利権屋以外のすべての勤労人民の苦しみは言語に絶してきました。
なかでも苦しいのは婦人です。
宮本百合子
【自然描写における社会性について】
同じ雨の朝を、登校する小学生のすべてが、同じ感情で眺めるであろうか? ゆとりのある家の子供である一郎は、雨がふっているのを見てひどく勇み立った。何故ならば、一郎はこの間誕生日の祝いにいいゴム長一足買って貰った。雨がふったから今日こそあれをはいてこう! そう思って一郎には雨がうれしいのであるが、一郎の家の崖下の三吉のところでは、全然ちがった光景が展開されている。
新美南吉
【狐】
「こいつのイ、樽屋(たるや)の清(せい)さの子供だけどのイ、下駄一足やっとくれや。あとから、おっ母さんが銭(ぜに)もってくるげなで」
みんなは、樽屋の清さの子供がよく見えるように、まえへ押しだしました。それは文六ちゃんでした。文六ちゃんは二つばかり眼(ま)ばたきしてつっ立っていました。
寺田寅彦
【病院風景】
屋上の砂利の上に関東八州の青空。風が強くて干し物がいくつか砂利の上に落ちている。清らかになまめかしい白足袋一足落ちている。北側の胸壁にもたれて見下ろす。巡査が一人道側へ立って警戒している。何の警戒か分からぬ。しかし何かを警戒していることは分かる。
 
   
 
 
 

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Last updated : 2019/05/16