作品に出てくるものの数え方(助数詞)
 
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降
作 家
作 品
泉鏡花
【貝の穴に河童の居る事】
を含んだ風がさっと吹いて、磯(いそ)の香が満ちている−−今日は二時頃から、ずッぷりと、一降り降ったあとだから、この雲の累(かさな)った空合(そらあい)では、季節で蒸暑かりそうな処を、身に沁(し)みるほどに薄寒い。……
泉鏡花
【遺稿】
出掛けに、實は春の末だが、そちこち梅雨入模樣で、時時氣まぐれに、白い雲が薄墨の影を流してばら/\と掛る。其處で自動車の中へ番傘を二本まで、奧の院御參詣結縁のため、「御縁日だと此の下で飴を賣る奴だね、」「へへへ、お土産をどうぞ。」と世馴れた番頭が眞新しい油もまだ白いのを、ばり/\と綴枠をはづして入れた。
贅澤を云つては惡いが、此の暖さと、長閑さの眞中には一降り來たらばと思つた。路近い農家の背戸に牡丹の緋に咲いて蕋の香に黄色い雲の色を湛へたのに、舞ふ蝶の羽袖のびの影が、佛前に捧ぐる妙なる白い手に見える。遠方の小さい幽な茅屋を包んだ一むら竹の奧深く、山はその麓なりに咲込んだ映山紅に且つ半ば濃い陽炎のかゝつたのも里親しき護摩の燃ゆる姿であつた。傘さして此の牡丹に彳み、すぼめて、あの竹藪を分けたらばと詣づる道すがら思つたのである。
泉鏡太郎
【人魚の祠】
私(わたし)たちは七丁目(なゝちやうめ)の終點(しうてん)から乘(の)つて赤坂(あかさか)の方(はう)へ歸(かへ)つて來(き)た……あの間(あひだ)の電車(でんしや)は然(さ)して込合(こみあ)ふ程(ほど)では無(な)いのに、空(そら)怪(あや)しく雲脚(くもあし)が低(ひく)く下(さが)つて、今(いま)にも一降(ひとふり)來(き)さうだつたので、人通(ひとどほ)りが慌(あわたゞ)しく、一町場(ひとちやうば)二町場(ふたちやうば)、近處(きんじよ)へ用(よう)たしの分(ぶん)も便(たよ)つたらしい、停留場(ていりうぢやう)毎(ごと)に乘人(のりて)の數(かず)が多(おほ)かつた。
 
   
 
 
 

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Last updated : 2019/05/16