作品に出てくるものの数え方(助数詞)
 
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口
作 家
作 品
中里介山
【大菩薩峠 小名路の巻】
「駒井の殿様、あんまり進み過ぎて、お怪我のないように」寅吉は橋を渡りきることができないでいたが、駒井甚三郎は頓着なく、橋の向うの板留まで歩いて行きました。そこで、ゆくりなく拾い上げたのは一口(ひとふり)であります。それを駒井が提灯の光で見ている時、今まで眠れるもののように静かであった大川の水音が、遽(にわ)かにざわついてきました。
中里介山
【大菩薩峠 甲源一刀流の巻】
邸の中へ入って調べて見ると、この時の盗難が金子(きんす)三百両と秘蔵の藤四郎(とうしろう)一口(ふり)
泉鏡花
【竜潭譚(りゆうたんだん)】
うつくしき人はなかばのりいでたまひて、とある蒔絵(まきえ)ものの手箱のなかより、一口(ひとふり)守刀(まもりがたな)を取出(とりだ)しつつ鞘(さや)ながら引(ひき)そばめ、雄々(おお)しき声にて、「何が来てももう恐くはない。安心してお寝よ。」とのたまふ、たのもしき状(さま)よと思ひてひたとその胸にわが顔をつけたるが、ふと眼をさましぬ。
泉鏡花
【木の子説法】
質の出入れ−−この質では、ご新姐の蹴出し……縮緬(ちりめん)のなぞはもう疾(とっ)くにない、青地のめりんす、と短刀一口(ひとふり)。数珠一聯(れん)。千葉を遁げる時からたしなんだ、いざという時の二品(ふたしな)を添えて、何ですか、三題話のようですが、凄(すご)いでしょう。……事実なんです。
泉鏡花
【七宝の柱】
この柱が、須弥壇(しゅみだん)の四隅(しぐう)にある、まことに天上の柱である。須弥壇は四座(しざ)あって、壇上には弥陀(みだ)、観音(かんおん)、勢至(せいし)の三尊(さんぞん)、二天(にてん)、六地蔵(ろくじぞう)が安置され、壇の中は、真中に清衡(きよひら)、左に基衡(もとひら)、右に秀衡(ひでひら)の棺(かん)が納まり、ここに、各一口(ひとふり)剣(つるぎ)を抱(いだ)き、鎮守府将軍(ちんじゅふしょうぐん)の印(いん)を帯び、錦袍(きんぽう)に包まれた、三つの屍(しかばね)がまだそのままに横(よこた)わっているそうである。
岡本綺堂
【中国怪奇小説集捜神記(六朝)】
「わたしの剣の出来あがるのが遅かったので、これを持参すれば王はきっとわたしを殺すに相違ない。おまえがもし男の子を生んだらば、その成長の後に南の山を見ろといえ。石の上に一本の松が生えていて、その石のうしろに一口(ひとふり)が秘めてある」かれは雌剣一口だけを持って、楚王の宮へ出てゆくと、王は果たして怒った。かつ有名の相者(そうしゃ)にその剣を見せると、この剣は雌雄一対あるもので、莫邪は雄剣をかくして雌剣だけを献じたことが判ったので、王はいよいよ怒って直ぐに莫邪を殺した。
太宰治
【創生記】
その光栄の失敗の五年の後、やはり私の一友人おなじ病いで入院していて、そのころのおれは、巧言令色(こうげんれいしょく)の徳を信じていたので、一時間ほど、かの友人の背中さすって、尿器(にょうき)の世話、将来一点の微光をさえともしてやった。わが肉体いちぶいちりん動かさず、すべて言葉で、おかゆ一口一口、銀の匙もて啜(すす)らせ、あつものに浮べる青い三つ葉すくって差しあげ、すべてこれ、わが寝そべって天井(てんじょう)ながめながらの巧言令色、友人は、ありがとうと心からの謝辞、ただちにグルウプ間に美談として語りつがれて、うるさきことのみ多かった。それは、おまえも知っている筈。くやしいのだ。
泉鏡花
【小春の狐】
朝−−この湖の名ぶつと聞く、蜆(しじみ)の汁で。……燗(かん)をさせるのも面倒だから、バスケットの中へ持参のウイスキイ一口。蜆汁にウイスキイでは、ちと取合せが妙だが、それも旅らしい。……
寺田寅彦
【破片】
ある地下食堂で昼食を食っていると、向こう隣の食卓に腰をおろした四十男がある。麻服の上着なしで、五分刈り頭にひげのない丸顔にはおよそ屈託や気取りの影といったものがない。リットルのビールを二杯注文して第一杯はただひと息、第二杯は三口四口に飲んでしまって、それからお皿(さら)に山盛りのチキンライスか何かをペロペロと食ってしまった、と思うともう楊枝(ようじ)をくわえてせわしなく出て行った。
林 不忘
【丹下左膳 乾雲坤竜の巻】
あの丹下左膳という御浪人。
 かれは亡夫宗右衛門と同じ奥州中村相馬様の藩士で、自分やお艶とも同郷の仲だが、それがなんでもお刀探索かたなたんさく密命を帯びてこうして江戸にひそんでいるとかと、いつかの夜のお居間のそとで立ち聞いたことがある。
 道理で、辻斬りが流行はやるというのにこのごろはなお何かに呼ばれるように左膳は夜ごとの闇黒やみに迷い出る——もう一口ひとふりさがしに!
 しかるに!
 
   
 
 
 

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Last updated : 2019/05/16