百人一首 (小倉百人一首) を覚える |
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「小倉百人一首」は、第一から第十までの勅撰和歌集の中から選ばれ、『古今集』からの歌が二十四首で最も多く、種別で最も多いのは恋歌で四十三首選ばれています。作者は男性が79人、女性が21人です。 歌道の入門書として読み継がれ、また、習字の手本として使われたり江戸時代になると木版画による絵入りの「かるた」として庶民の間にも広まり現代に至っています。 『勅撰和歌集(ちょくせんわかしゅう)』は、天皇などの命により編纂された歌集のことで、藤原定家が百人一首を選んだのは次の十集です。 ・『古今和歌集』………24首 ・『後撰和歌集』……… 7首 ・『拾遺和歌集』………11首 ・『後拾遺和歌集』……14首 ・『金葉和歌集』……… 5首 ・『詞花和歌集』……… 5首 ・『千載和歌集』………14首 ・『新古今和歌集』……14首 ・『新勅撰和歌集』…… 4首 ・『続後撰和歌集』…… 2首 ・番号のついた一行目は、短歌の基本形「五・七・五・七・七」の五句のうちの上の句の一句目、つまり、初句・第一句です。 ・初句・第一句が同じものが六首あります。この六首については、第二句まで一行目に表記しました。 ・二行目は、歴史的仮名遣いによる漢字仮名交じりの句です。定家筆の「色紙」は仮名書きでしたが、後世に様々な人が書写した際、それぞれの和歌の出典を思い出したりしながら漢字仮名交じり文字で書かれ、様々な表記の注釈書などがあまた伝わっています。 ・三行目の緑の字は、歴史的仮名遣いによる表記です。 ・三行目・四行目で、太字で赤く着色した部分は、「かるたの早取り」として覚えるための上の句の「きまり字」です。 ・四行目の青い字の行は、現代仮名遣いによる表記です。 ・五行目は、作者とその歌が収められている勅撰和歌集です。 ・六行目は、各勅撰集に収められている原歌とされるもの、または、基になっている歌集です。この百人一首とは字句が違うものもあります。 ・枕詞、掛詞が含まれる場合は七行目に記しました。枕詞は、係る語を矢印で示しています。 ・枕詞、掛詞などにも解釈が様々あるようです。ここに記載したものが全てではありません。歌の表記、作者の読み方などと合わせて専門書などでご確認ください。 |
ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる ほととぎす なきつるかたを ながむれば ただありあけの つきぞのこれる 後徳大寺左大臣(ごとくだいじのさだいじん) = 藤原実定(ふじわらのさねさだ) 「千載集」 ほととぎす 鳴きつる方を 眺むれば ただありあけの 月ぞ残れる おもひわび さてもいのちは あるものを うきにたへぬは なみだなりけり おもいわび さてもいのちは あるものを うきにたえぬは なみだなりけり 道因法師(どういんほうし) 「千載集」 思ひ侘び さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり よのなかよ みちこそなけれ おもひいる やまのおくにも しかぞなくなる よのなかよ みちこそなけれ おもいいる やまのおくにも しかぞなくなる 皇太后宮大夫俊成(こうたいごうぐうのだいぶとしなり/しゅんぜい) = 藤原俊成(ふじわらのとしなり/しゅんぜい) 「千載集」 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞなくなる [掛詞] 入る = (思ひ)入る・(山に)入る ながらへば またこのごろや しのばれむ うしとみしよぞ いまはこひしき ながらえば またこのごろや しのばれん うしとみしよぞ いまはこいしき 藤原清輔朝臣(ふじわらのきよすけあそん) 「新古今集」 ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき よもすがら ものおもふころは あけやらで ねやのひまさへ つれなかりけり よもすがら ものおもうころは あけやらで ねやのひまさえ つれなかりけり 俊恵法師(しゅんえほうし) 「千載集」 夜もすがら もの思ふころは 明けやらぬ 閨のひまさへ つれなかりけり なげけとて つきやはものを おもはする かこちがほなる わがなみだかな なげけとて つきやはものを おもわする かこちがおなる わがなみだかな 西行法師(さいぎょうほうし) 「千載集」 嘆けとて 月やは物を 思はする かこち顔なる わが涙かな むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆふぐれ むらさめの つゆもまだひぬ まきのはに きりたちのぼる あきのゆうぐれ 寂蓮法師(じゃくれんほうし) 「新古今集」 村雨の 露もまだひぬ 槙の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕ぐれ なにはえの あしのかりねの ひとよゆゑ みをつくしてや こひわたるべき なにわえの あしのかりねの ひとよゆえ みをつくしてや こいわたるべき 皇嘉門院別当(こうかもんいんのべっとう) 「千載集」 難波江の 葦のかりねの 一よゆゑ みをつくしてや 恋ひわたるべき [掛詞] かりね = 刈り根・仮寝 ひとよ = 一節・一夜 みをつくし = 澪標・身を尽くし たまのをよ たえなばたえね ながらへば しのぶることの よわりもぞする たまのおよ たえなばたえね ながらえば しのぶることの よわりもぞする 式子内親王(しょくしないしんのう) 「新古今集」 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする みせばやな をじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかはらず みせばやな おじまのあまの そでだにも ぬれにぞぬれし いろはかわらず 殷富門院大輔(いんぷもんいんのたいふ) 「千載集」 見せばやな 小島のあまの 袖だにも ぬれにぞぬれし 色は変はらず きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねむ きりぎりす なくやしもよの さむしろに ころもかたしき ひとりかもねん 後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだじょうだいじん) = 藤原良経(ふじわらのよしつね) 「新古今集」 きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣片敷き ひとりかも寝む [掛詞] さむしろ = さ筵・寒し わがそでは しほひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし わがそでは しおひにみえぬ おきのいしの ひとこそしらね かわくまもなし 二条院讃岐(にじょういんのさぬき) 「千載集」 わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのをぶねの つなでかなしも よのなかは つねにもがもな なぎさこぐ あまのおぶねの つなでかなしも 鎌倉右大臣(かまくらのうだいじん) = 源実朝(みなもとのさねとも) 「新勅撰集」 世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ あまの小舟の 綱手かなしも みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり みよしのの やまのあきかぜ さよふけて ふるさとさむく ころもうつなり 参議雅経(さんぎまさつね) = 藤原雅経(ふじわらのまさつね) 「新古今集」 み吉野の 山の秋風 さ夜ふけて ふるさと寒く 衣打つなり おほけなく うきよのたみに おほふかな わがたつそまに すみぞめのそで おおけなく うきよのたみに おおうかな わがたつそまに すみぞめのそで 前大僧正慈円(さきのだいそうじょうじえん) 「千載集」 おほけなく うき世の民に おほふかな わが立つ杣に すみぞめの袖 [掛詞] すみぞめ = 住み初め・墨染めの衣 はなさそふ あらしのにはの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり はなさそう あらしのにわの ゆきならで ふりゆくものは わがみなりけり 入道前太政大臣(にゅうどうさきのだじょうだいじん) = 藤原公経(ふじわらのきんつね) 「新勅撰集」 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり [掛詞] ふり = 降り・古り(旧り) こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに やくやもしほの みもこがれつつ こぬひとを まつほのうらの ゆうなぎに やくやもしおの みもこがれつつ 権中納言定家(ごんちゅうなごんていか/さだいえ) = 藤原定家(ふじわらのていか) 「新勅撰集」 来ぬ人を まつほの浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ [掛詞] まつ = 待つ・松(帆の浦) こがれ = こがれ・焦がれ かぜそよぐ ならのをがはの ゆふぐれは みそぎぞなつの しるしなりける かぜそよぐ ならのおがわの ゆうぐれは みそぎぞなつの しるしなりける 従二位家隆(じゅにいいえたか) = 藤原家隆(ふじわらのいえたか)「新勅撰集」 風そよぐ ならの小川の 夕暮れは みそぎぞ夏の しるしなりける [掛詞] なら = 楢・奈良 ひともをし ひともうらめし あぢきなく よをおもふゆゑに ものおもふみは ひともおし ひともうらめし あじきなく よをおもうゆえに ものおもうみは 後鳥羽院(ごとばいん) 「続後撰集」 人もをし 人もうらめし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なほあまりある むかしなりけり ももしきや ふるきのきばの しのぶにも なおあまりある むかしなりけり 順徳院(じゅんとくいん) 「続後撰集」 百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり [掛詞] しのぶ = 忍ぶ(草)・偲ぶ |
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