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放縦懶惰
ほうしょうらんだ
作家
作品

北村透谷

【明治文学管見 (日本文学史骨)】

 徳川氏の失敗は封建制度の墜落となれり。明治の革命は二側面を有す、其一は御親政にして、其二は聯合躰の治者是なり。更に細説すれば、一方に於ては、武将の統御に打勝ちたる王室の権力あり。他方に於ては、一団躰の統治乱れて聯合したる勢力の勝利あり。征服者として天下を治めたる武断的政府は徳川氏を以て終りを告げ、広き意味に於て国民の輿論の第一の勝利を見たり。而して之を促がしたるものは外交問題なりしことを忘るべからず。
  凡(およ)そ外交問題ほど国民の元気を煥発するものはあらざる也。之なければ放縦懶惰安逸虚礼等に流れて、覚束(おぼつか)なき運命に陥るものなり。徳川氏の天下に臨むや、法制厳密にして注意極めて精到、之を以て三百年の政権は殆(ほとんど)王室の尊厳をさへ奪はんとするばかりなりし、然るに彼の如くもろく仆(たふ)れたるものは、好(よ)し腐敗の大に中に生じたるものあるにもせよ、吾人は主として之を外交の事に帰せざるを得ず。而して外交の事に就きても、蓋し国民の元気の之に対して悖(ぼつ)として興起したることを以て、徳川氏の根蔕を抜きたる第一因とせざるべからず。

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岡本綺堂

【半七捕物帳 お文の魂】

長男は無論その家を嗣(つ)ぐべく生れたのであるが、次男三男に生れたものは、自分に特殊の才能があつて新規御召出しの特典を享(う)けるか、あるひは他家の養子にゆくか、この二つの場合を除いては、殆ど世に出る見込みもないのであつた。彼等(かれら)の多くは兄の屋敷の厄介になつて、大小を横へた一人前の男がなんの仕事もなしに日を暮してゐるといふ、一面から見れば頗る呑氣らしい、また一面から見れば、頗る悲惨な境遇に置かれてゐた。
  かういふ餘儀ない事情は彼等を驅つて放縦懶惰(ほうじゆうらんだ)の高等遊民たらしめるより他はなかつた。かれらの多くは道樂者であつた。退屈凌(しの)ぎに何か事あれかしと待構へてゐる徒(やから)であつた。Kのをぢさんも不運に生れた一人で、こんな相談相手に選ばれるには屈竟(くつきやう)の人間であつた。をぢさんは無論喜んで引受けた。

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Last updated : 2022/11/23