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鷹揚自若
おうようじじゃく
作家
作品

夏目漱石

【『東洋美術図譜』】

 偉大なる過去を背景に持っている国民は勢いのある親分を控えた個人と同じ事で、何かに付けて心丈夫こころじょうぶである。あるときはこの自覚のために驕慢きょうまんの念を起して、当面のつとめおこたったり未来の計を忘れて、落ち付いている割に意気地いくじがなくなる恐れはあるが、成上なりあがりものの一生懸命に奮闘する時のように、齷齪あくせくとこせつく必要なく 鷹揚自若おうようじじゃくと衆人環視のうちに立って世に処する事の出来るのは全く祖先が骨を折って置いてくれた結果といわなければならない。
 は日本人として、神武じんむ天皇以来の日本人が、如何なる事業をわが歴史上に発展せるかの大問題を、過去に控えて生息するものである。もとより余一人の仕事は、余一人の仕事に違いないのだから、余一人の意志で成就じょうじゅもし破壊もするつもりではあるが、余の過去、――もっと大きくいえば、わが祖先が余の生れぬ前に残して行ってくれた過去が、余の仕事の幾分かを既に余の生れた時に限定してしまったような心持がする。自分は自分のする事についてあくまでも責任を負う料簡りょうけんではあるが、自分をしてこの責任を負わしむるものは自己以外には遠い背景が控えているからだろうと思う。

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  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2022/11/23