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三三五五/三々五々
さんさんごご
作家
作品

夏目漱石

【趣味の遺伝】

列を作った同勢の一角いっかくくずれると、堅い黒山が一度に動き出して濃い所がだんだん薄くなる。気早きばやな連中はもう引き揚げると見える。ところへ将軍と共に汽車を下りた兵士が三々五々隊を組んで場内から出てくる。服地の色は めて、ゲートルの代りには黄な羅紗らしゃを畳んでぐるぐるとすねへ巻きつけている。

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芥川龍之介

【偸盗】

藤判官とうほうがんの屋敷から、引き揚げてきた偸盗ちゅうとうの一群は、そのやみの中にかすかな松明たいまつの火をめぐりながら、三々五々、あるいは立ちあるいは伏し、あるいは丸柱の根がたにうずくまって、さっきから、それぞれけがの手当てに いそがわしい。

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内藤鳴雪

【鳴雪自叙伝】

しかも藩主の御機嫌を伺うといって一般の藩士も日々常真寺へ出頭した。けれども余り多勢一緒に行くのは土州軍に対し憚かれという内諭もあったので、その心得で三々五々目立たぬように行ったものである。そうして藩主のみならず臣下一同恭順しているのであるから、外出の際は必ず裃を着た。なお同じ恭順でも高松藩では藩士一同脱刀したという事だが、我藩には皆大小を佩びていた。

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北原白秋

【日本ライン】

日は光り、屋形の、三角帆の、赤の、青のフラフの遊覧船が三々五々と私たちの前を行くのだ。

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太宰治

【服装に就いて】

バスは河口湖を過ぎて二十分くらい峠をのぼりはじめたと思うと、既に恐ろしい山崩れの個所に逢着ほうちゃくし、乗客十五人が、おのおの尻端折しりはしょりして、歩いて峠を越そうと覚悟をきめて三々五々、峠をのぼりはじめたが、行けども行けども甲府方面からの迎えのバスが来ていない。

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国木田独歩

【夜の赤坂】

 麻布谷町の通りと田町七丁目の交叉して居る三辻に来て見ると何十人といふ人ががや/\言ひながら集まつて居ましたが、一人として取留めた事を言ふものはありません。真面目な顔をして天の一方を睨んで居る者もあれば、ひそ/\と話し合つて居るものもあり、笑つて居るものもあり。三々五々、谷町の方へ行つたり来たりして居るのです。

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木村荘八

【銀座の柳】

斜向うの電車道を越した通りを見ると、片屋根のスマートな、しかし見るからに植民地風な――店舗の飾窓の凹みに、三々五々人が雨宿りに駈込んで空の様子を見てゐる。

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神西清

【ハビアン説法】

 広びろした庭の小砂利こじゃりをふんで、セーラー服やつりスカートの少女たちが、三々五々つつましやかに歩き廻つてゐる。ははあ、園遊会だな、と 咄嗟とっさに思つたのはわれながら迂闊千万うかつせんばんで、正面の数寄屋すきやづくりの堂々たる一棟は、なんと大きな十字架を、わら屋根の上にそびえさせてゐるではないか。

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牧逸馬

【上海された男】

 小春日和のうららかさに陽炎かげろうが燃えていた。海岸通りには荷役の権三ごんぞうたちが群をしてやかましく呶鳴り合って居た。外国の水夫が三々五々歩き廻っていた。

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長谷川時雨

【一世お鯉】

日比谷ひびやには騒擾そうじょうが起り、電車焼打ちがあって、市内目抜きの場所の交番、警察署、御用新聞社の打こわしなどがはじまり、忠良なために義憤しやすき民衆は狂暴にされ、全市に戒厳令がかれて三々五々、銃をもち剣を抜いた兵士が街路に たむろし、市中を巡羅するようになった。

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  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

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Last updated : 2022/11/23