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三三九度/三々九度
さんさんくど
作家
作品

夏目漱石

【道草】

雌蝶めちょう雄蝶おちょうもあったもんじゃないのよ貴方あなた。だいち御盃おさかずきの縁が欠けているんですもの」
「それで三々九度ったのかね」
「ええ。だから夫婦中ふうふなかがこんなにがたぴしするんでしょう」
 兄は苦笑した。

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泉鏡花

【婦系図】

 うまでもなく道徳円満、ただしその細君は三度目で、さきの二人とも若死をして、目下いまのがまた顔色が近来、あおい。
 と云ってあえて君子の徳をきずつけるのではない、が、要のないお饒舌しゃべりをするわけではない。大人は、自分には二度まで夫人を殺しただけ、さかずきの数の三々九度、三度の松風、ささんざの二十七度で、婚姻の事には馴れてござる。

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徳田秋声

【新世帯】

 和泉屋と小野は、袴をシュッシュッ言わせながら、狭い座敷を出たり入ったりしていたが、するうち銚子や盃が運ばれて、手軽な三々九度の儀式が済むと、赤い盃が 二側ふたかわに居並んだ人々の手へ順々に廻された。

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宮本百合子

【私も一人の女として】

只、私は、妻に対するそういう謂わば非常に感覚的な苦しい愛情の表現の形式として、松本氏が三々九度の盃というやり方をとられたところに、氏の生活形式の内に根づよくのこされている古風なもの、封建的なものを感じただけです。

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寺田寅彦

【LIBER STUDIORUM】

 自分の郷里では、今は知らず二十年も以前は、婚礼の三々九度の杯をあげている座敷へ、だれでもかまわず、ドヤドヤと上がり込んで、片手には どろだらけの下駄げたをぶら下げたままで、立ちはだかって花嫁や花婿の鼻の高低目じりの角度を品評した。

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伊藤永之介

【押しかけ女房】

善は急げで、話はトン/\拍子に運んで、やがて角かくしも重々しい初世は、佐太郎の軍服姿の写真の前で、三々九度の盃を重ねて、直きに源治の家の人となつた。そして三日目からは、もう初世の若々しい姿が、源治の田圃に見出された。

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鈴木鼓村

【二面の箏】

 両親はすこぶる喜んで早速このよし先方さきへ通ずる、そこで、かたの如く月下氷人なこうどを入れて、芽出度めでた三々九度も終ったというわけだ。

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上司小劍

【ごりがん】

 老僧の話に據ると、天南は自分へ何んの話もなく、親が勝手に決めた縁談に、別段不服のやうでもなかつたが、婚禮の當日、花嫁が到着のどさくさ紛れに、何處かへ姿を隱して了つた。いざ三々九度の盃といふ時になつて、花聟の影を逸したのだから、混雜に混雜が加はつて、 庫裡くりも、對面所も、本堂も、人々が織るやうに駈けちがつた。

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三好十郎

【おスミの持参金】

 三々九度が済んだばかりで、二人ともボーツと上気してゐる。特に花嫁の眼は涙にかすんで、器量一杯に声を振りしぼつてゐる父親の顔がボヤけて見えるのである。

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三遊亭圓朝
鈴木行三校訂編纂

【業平文治漂流奇談】

 文「此方こっちへ来なさい、縁あってお前はわしの処に嫁に来ようというは実におもいきや、今日こんにち 三々九度の盃をすれば 生涯しょうがい死水しにみずを取合う深い縁、お前は来たばかりであるが少し申し聞けることがある、浪島の家風がある、家風は背きはしまい」

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Last updated : 2022/11/23