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山紫水明
さんしすいめい
作家
作品

芥川龍之介

【続野人生計事】

これをしも芸術と云ふくんば、安来節やすぎぶしも芸術たらざらんや。予は勿論彼等の道楽を排斥せんとするものにあらず。予をして当時に生まれしめば、戯れに河童晩帰かつぱばんきの図を作り、山紫水明楼上の 一粲いつさんを博せしやもまた知る可からず。且又彼等も聰明の人なり。あに彼等の道楽を彼等の芸術と混同せんや。予は常に確信す、大正の流俗、芸術を知らず、無邪気なる彼等の常談じやうだん大真面目おほまじめに随喜し渇仰かつがうするの時、まづ噴飯ふんぱんに堪へざるものは彼等両人にほかならざるを。

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井上円了

【南半球五万哩】

 十三日、晴れ。午前十時入港。その地名はマンサニヨなり。サリナクルスより六百マイルを隔つ。峰巒草木茂生し、浜頭また深林鬱立す。久しく禿山のみを見てこの翠影に接するは、大いに目をたのしましむるに足る。
林丘抱海小湾円、翠影参差映碧漣、霜雪不侵墨南地、水明山紫是終年。
(林と丘が海をいだくように、小さな湾が円を形づくり、みどりの影がいりみだれて青いさざなみにうつっている。霜も雪もメキシコ南部の地を侵すこともなく、山紫水明の天然の美しさは一年を通じてのものである。)

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大町桂月

【國府臺】

遠き處は、早や暮煙低く横はる。一つに連なりし遠林、烟に分れて幾段にも見ゆ。小利根川、近く前を流る。冬の事とて、水落ち、洲出づ。見る/\、川が忽ちばつと明かになりぬ。斜陽が水を射る角度の具合にて、斯く明かになる也。赤に非ず、黄に非ず、白にあらず、唯明かといふより外なし。山紫水明とは、平生唯文字上に知りて、晩方になれば、水があかるくなるならむ位に思ひたるが、今はじめて、實際見て、その妙趣を知りぬ。『水明』とは、言ひ得て妙なるかなと、ひそかに感歎す。何處やらにて、伯勞鳴く。きび/\して、氣持よき聲也。

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石川三四郎

【吾等の使命】

 自然は美しい。山下林間の静寂地に心の塵を洗ひ、水辺緑蔭の幽閑境に養神の快を貪るといふ様な事は、誰しも好ましく思ふ処である。然るに今日の農民は、美しい自然の中に生活しながら、其れを享楽することが出来ない。山紫水明の勝地は傷ましくも悉く都会のブルジヨア、金持達の蹂躙する処となつて、万人の共楽を許さない。

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九鬼周造

【外来語所感】

沢瀉久孝おもだかひさたか博士をして「何デー」「何デー」「ナンデイ」「ナンデイ」「ナニヲ云ッテヤガルンデイ」、日の神の「日」という美しい言葉を持ちながら何を苦しんで「デー」などという紅毛の国のダミ言葉を使うのかと憤慨させるのも誠に道理がある。外来語は山紫水明の古都までも無遠慮に侵入している。平安朝このかた一千年の伝統をだらりの帯に染め出しているような京の 舞妓まいこに「オープンでドライヴおしやしたらどうどす」などといわれると腹の底までくすぐったい感じがする。

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山路愛山

【頼襄を論ず】

 当時山陽外史の名隆々日の上るが如し。文人若し其許可を得ればあたかも重爵厚俸を得しが如くに喜びたりき。然れどもひるがへつて彼の家政を察すれば即ち貧太甚しかりき。文政六年彼れ家を鴨河の岸三本木に買ひ水西荘と称す。所謂山紫水明処なり。然も行て其旧迹を見しものゝ言に因れば一間の茅屋のみ。即ち其見るに足らざる一草舎に佳名を付したるに過ぎざるや知るべきのみ。彼は自ら詩を作りて当時の境遇を序したりき。

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Last updated : 2022/11/23