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時時刻刻/時々刻々
じじこっこく
作家
作品

酒井嘉七

【静かな歩み】
で、これは最近アメリカで発表された新説とも云ふべきものですが、それによると、『骨相の細部』は時時刻刻に変化して行く、と云ふんですね。つまり、先天的に懐疑性を帯びた人間とか、狂暴性や残忍性のある者、さうした人達の本質的な性質は、そのまゝ『固定した骨相』として現はれてをり、当然、さうしたものには大した日日の変化はないのですね。ところが骨相学の神髄ともいふべきものは、さうした『固定した骨相』に有るのではなく、文字通り時時刻刻に変つて行く『骨相の細部』にあり、そこからはその人物が一時間前に、数時間前に、または数日以前に経験した総ての事実、及び、一時間後、数時間後、または数日後に、彼を待ちうけてゐる運命の全体が判然と読みとられると云ふのですね。」

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夏目漱石

【点頭録】

たとひ殺傷に参加する人々個々の頭上には、千差万別の悲劇が錯綜紛糾さくそうふんきうして、時々刻々に彼等の運命を変化しつゝあらうとも、それは当座限りの影響に すぎない。

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太宰治

【『思ひ出』序】

「餘瀝 近事片々」(「正直ノオト」「春晝」「市井喧爭」「酒ぎらひ」「困惑の辯」「知らない人」「心の王者」「鬱屈禍」)
 以上の五篇の創作にて、私のこれまで歩いて來た經過の、だいたいは、推察していただける事と思ふ。けれども今この五篇のみを纏めて一本としようとしても、これだけでは、どうやら枚數に於いて不足の樣子であるから、卷末に、餘瀝として、昨年四月から、今年三月にいたる間の、時々刻々の隨筆を五六、附加した。その後の作者の消息も、わかる事と思ふ。氣輕く、讀んでみて下さい。
 私の仕事は、これからであると思つてゐる。

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石川啄木

【弓町より】

すなわち真の詩人とは、自己を改善し自己の哲学を実行せんとするに政治家のごとき勇気を有し、自己の生活を統一するに実業家のごとき熱心を有し、そうしてつねに科学者のごとき明敏なる判断と野蛮人やばんじんのごとき卒直なる態度をもって、自己の心に起りくる時々刻々の変化を、飾らず偽らず、きわめて平気に正直に 記載きさいし報告するところの人でなければならぬ。

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幸徳秋水

【死刑の前】

いな、人間の死は、科学の理論を待つまでもなく、実に平凡なる事実、時々刻々の眼前の事実、なんびともあらそうべからざる事実ではないか。死のきたるのは、一個の例外もゆるさない。死に面しては、貴賎・貧富も、善悪・邪正も、知恵・賢不肖も、平等一如である。なにものの知恵も、のがれえぬ。なにものの威力も、抗することはできぬ。

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寺田寅彦

【地図をながめて】

技術官に随行する測夫というのがまた隠れた文化の貢献者である。ただ一人山頂の櫓に回照器(ヘリオトロープ)を守って、時々刻々に移動する太陽の光束を反射して数十キロメートルかなたの観測点に送る。それには多年の修練によるデリケートな神経と筋肉の作用を要する。この測夫の熟練のいかんによって観測作業の 進捗しんちょくが支配されるのである。

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北村透谷

【我牢獄】

捕はれてこの牢室に入りしより、すべての記憶は霧散し去り、己れの生年をさへ忘じ果てたるにもかゝはらず、我は一個の忘ずること能はざる者を有せり、たゞに忘ずること能はざるのみならず、数学的乗数を以て追々に広がり行くとも消ゆることはあらず、木葉このはは年々歳々新まり行くべきも、我が悲恋は新たまりたることはなくしていや茂るのみ、江水は時々刻々に流れ去れども、我が悲恋はよどみよどみて漫々たる洋海をなすのみ、不思議といふべきは我恋なり。

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菊池寛

【勲章を貰う話】

七月が、だんだん終りに近づいた。ワルシャワの市街を照す日光は、日に日に熱度を加えてきた。それと同時にワルシャワを半円に取り巻いている独軍の戦線が、時々刻々縮まっていった。

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永井隆

【長崎の鐘】

原子力すなわち、原子が創造せられた瞬間から原子内ことに原子核内に潜在していた力、原子の形態を維持し、その作用の源泉となっていた力、それは原子の体積に比べていちじるしく莫大なエネルギーであり、実に万象流転の原動力たるものである。一部の学者は、太陽より昼夜不断に発せられる巨大なエネルギーは実に太陽の原子が時々刻々に爆発しつつ発する原子力である、とさえいっている。したがって原子爆弾は人工太陽とでも称していいかもしれない。この巨大な原子力は、原子の破裂と同時に解放せられ、一挙に万物を圧する。

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吉川英治

【私本太平記 八荒帖】

「腹のわからないお人」の腹も、どうやらその帰りがけには、彼にもわかった気がしていた。すべて道誉には一貫した方針などはないのであった。時々刻々の変にしたがって行こうとする機会主義が本領でもあるらしい。

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Last updated : 2022/11/23